「データが消えた!でも安心」--ソフトウェアで災害から企業を守るシマンテック - (page 2)

藤本京子(編集部)

2006-08-23 21:01

 こうしてそれぞれの障害をマッピングしつつ、「サービスレベルを定義し、リカバリポイントとリカバリ時間の目標値を設定する。その上で、最低限やるべきことやひとつひとつの対処法を整理しておく必要がある」と村上氏は説明する。

 シマンテックでは、バックアップソリューションとして「Veritas Net Backup」を、ストレージ管理ソリューションとして「Veritas Storage Foundation」を、クラスタリングソリューションとして「Veritas Cluster Server」を、レプリケーションソリューションとして「Veritas Volume Replicator」を提供している。すべての製品に、買収・統合前の「Veritas」の名称が残った格好だ。

 シマンテックでは、これらのソリューションがさまざまな災害に対し、どの部分で効果を発揮するのか、どの部分では効果がないのかを明確に示している。こうすることで、「守りたい部分やサービスレベルに応じたベストなソリューションを顧客に提案できる」と村上氏は話す。

 Net Backupは、バックアップによるデータ保護が可能になるもので、ディスク障害やOS障害はもちろん、地震や洪水、火災にも対応できる。ただし、停電やネットワーク障害、CPU不足、アプリケーション障害などにおいては効果を発揮しない。

 Storage Foundationは、ソフトウェアRAID技術やマルチパス技術により、ディスクの冗長化、ホストとストレージ間のパスの冗長化が実現するほか、ディスク容量拡張時のダウンタイムもゼロにすることができる。このソリューションは、ディスク障害やディスク溢れ、パス障害、OS障害などに有効だ。一方、停電や火災、地震などの災害や、ネットワーク障害、CPU不足、アプリケーション障害には効果がない。

 Cluster Serverは、クラスタリング技術によるサービスの冗長化や、計画的フェイルオーバーによるメンテナンス時のダウンタイム削減が可能だ。これは、ホストのハード障害やOS障害、アプリケーション障害、ネットワーク障害、ディスク障害、パス障害などで高い効果が期待できるが、停電、火災、地震、洪水などの災害およびディスク溢れでは効果ゼロとなる。

 Volume Replicatorは、リモートサイトへデータをレプリケーション(複製)することで、データの広域リカバリが可能となるほか、本番サイトがダウンした時でも、リモートサイトにて分単位でデータの復旧ができる。こうした機能は、地震、停電、火災に高い効果を発揮し、ホストのハード障害、OS障害、アプリ障害、CPU不足などでも有効だ。一方で、ネットワーク障害やディスク溢れには効果がない。

サービスレベルを決めた上で対策を

 数々のソリューションで防災対策を提案するシマンテックだが、「われわれの製品だけで100%災害対策ができるわけではない。シマンテックとしても、サーバベンダーやSIerなどのパートナーと協力しつつ、お互い持っていない部分を補完しあってベストソリューションを提供することがゴールだ」と村上氏は説明する。

 例えばレプリケーション機能は通常、ストレージベンダーからも提供されている。ストレージベンダーの提供するレプリケーション機能は、ソフトウェアのソリューションのようにサーバのリソースを利用する必要がないのはもちろんのこと、サービスレベル自体も高いが、本ストレージとバックアップストレージに同じ機種を使わなくては利用できないケースがほとんどだという。「バックアップサイトは安価に構築したいという顧客も多く、そういったニーズに応えるには、ハードの機種に依存しないソフトウェアソリューションが合っている」と村上氏。実際、プライマリサイトのハードの買い替えに伴い、これまでプライマリサイトで使っていたハードをバックアップサイトで利用したいという顧客に対し、シマンテックがソリューションを提供したケースもある。

 また村上氏は、ある通信事業者の例から、「プレミア料金を支払うユーザーに対してストレージのインテリジェンス機能を使ったレプリケーションを行い、一般ユーザーにはソフトウェアによるレプリケーションを提供するといったように、サービスメニューによって複数ベンダーのソリューションを組み合わせるケースもある」と話す。

 同氏によると、海外ではプライマリサイトと全く同じ環境をバックアップサイトでも構築し、月単位などでサイトを切り替え両サイトが機能するかどうかを確認しているケースもあるという。こうした例からも、海外では「意識が非常に高い」と村上氏。ただ、この場合、ハードウェア、人件費共に非常にコストがかかるのが現状だ。コストとサービスレベルの妥協点を見いだし、ソリューションを使い分けて万全な防災対策を立てるのがよさそうだ。

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