十勝沖地震から阪神淡路大震災まで--電話インフラ保護の経験を生かすNTTファシリティーズ

藤本京子(編集部) 2006年08月25日 23時21分

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 防災対策特集の1回目、2回目は、ITインフラ面における防災や、ソフトウェアによるデータ保護といった観点から災害にどう対処すべきかを取り上げた。しかし、実際に災害が起こった時に頼りになるのは、ITシステムのみならず、われわれの体をも守ってくれる建物そのものだ。特集最終回となる今回は、建築物や設備などファシリティー面でのソリューションを中心として防災対策を提案するNTTファシリティーズに話を聞いた。

ITを支えているのは「建物」

 NTTファシリティーズは、1992年にNTTの建築部門と電力部門が分社して設立された。建築物の設計や管理はもちろん、電源、空調などの設備管理、ビルオートメーションシステムなど、ファシリティーに関するさまざまな事業を行っているが、NTTグループとして「電話を止めないための対策としてわれわれが培ってきた経験を生かし、一般のお客様にも防災対策を提供しようということから、2年前に防災ソリューションを体系化した」と、同社 営業本部 ソリューション営業部 担当課長の村尾哲郎氏は話す。

村尾哲郎氏 NTTファシリティーズ 営業本部 ソリューション営業部 担当課長の村尾哲郎氏

 「経営者層は、ITが重要だということはわかっていて、IT面から事業継続性(BC)を考慮しているが、実は建物や設備といったファシリティー面からもBCを考えるべき。IT機器を支えているのは建物なのだから」と村尾氏。

 NTTグループでは、大型地震をはじめとする災害で、被害が及ぶごとに防災対策を強化してきた。古くは、1968年の十勝沖地震で海底ケーブルが断裂した後、市外回線の伝送路を多ルート化したことにはじまり、1975年に旭川東光電話局が火災の被害にあい、交換機が消失したた後は、3万回線規模の非常用交換機を用意した。また、1983年の島根豪雨では電話局が水没したため、通信衛星を利用した災害対策基地局を設置した。さらに1995年の阪神淡路大震災では、交換機機能が停止したほか、加入者系ケーブルが焼失するといった被害もあったため、電力設備を耐震強化し、アクセス網の光化を行った。

 ほかにも、蓄電池の耐震補強や保持時間、設置方法の見直し、機器類の固定強化、エンジンの長時間運転対策など、過去の経験をシステムに反映させてきた。こうした対策を重ねたこともあり、2004年の新潟県中越地震ではNTT局舎における被害はなかったという。

地震対策はまず耐震から

 地震大国の日本では、地震対策を考える企業も多い。大型地震のつど建築基準法も見直され、1981年には耐震設計基準が改正されたというが、「それ以前に建てられた建物もいまだ多く残っている。古い建物に対する耐震補強については義務付けられていないのが現状だ」と村尾氏は指摘する。

 総務省の調査によると、防災拠点における耐震化率は、神奈川県、静岡県、東京都、愛知県、三重県においては70%を超えているものの、耐震化が50%を超えていない地域も多く、山口県や徳島県では約40%でしかない。

 村尾氏は、災害が起きてから対策を立てるのではなく、耐震をはじめとする「災害が起こる前の攻めの対策が必要だ」と主張する。NTTファシリティーズでは、地震対策において、耐震補強、免震構造技術、制震技術などで「攻めの対策」を提供している。

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