IBMは、2005年に買収したオープンソース新興企業Gluecodeが企図する計画を縮小し、単独の製品にのみ取り組むことを決定した。
Gluecodeは、Javaアプリケーションを稼働させるオープンソースサーバソフトウェア「Gluecode Standard Edition」に対して、継続的なサポートサービスを提供している。
同製品は、Apache Foundationが開発した、オープンソースのJava Platform Enterprise Editionアプリケーションサーバ「Geronimo」の技術を利用したものだ。IBMが提供している同パッケージ製品には、インストールやマネジメントを簡素化する管理ツールも含まれている。
IBMによって2005年5月に買収されるまで、Gluecodeはより拡張的なビジネスプランを有していた。
以前のGluecodeは、オープンソースJavaミドルウェアスタックに関わるサービスを開発しようと考えていた。同様のサービスのオープンソース版を提供することで、主力ベンダーに価格面で対抗しようともくろんでいたのである。
Gluecodeは買収される前、約10社の企業と契約を結び、Apacheが開発したJavaベースのウェブポータル「Pluto」向けの継続的なサポート/アップデートサービスを提供していた。Gluecodeはまた、「Agila」と呼ばれるApacheの別のプロジェクトにもコードを提供し、オープンソースJavaワークフローサーバの開発に貢献していた。なお、同プロジェクトはまだ実験段階を脱していない。
だが、GluecodeからIBMのソフトウェア部門に移籍したScott Cosby役員によれば、GluecodeはIBMの主導によって、2004年末にかけて自社が進めていた製品プランを縮小することにしたという。
「Gluecodeは、Plutoやポータル関連製品のプロ向けサービスを多数提供していたが、IBMも同様のサービスを(「WebSphere」において)すでにたくさん有している」(Cosby)
WebSphere製品ラインには、Javaアプリケーションサーバから統合ソフトウェア、ポータルまで、幅広いバックエンドソフトウェアがそろっている。
「Gluecodeの取得以来、IBMはアプリケーションサーバ市場に大きな力を注いできた。これは、同市場で成功を収め、また同市場でどのような製品を提供していけばよいのか模索するためであり、自社の一部となっているにもかかわらず、自社製品と競合するものを提供して、その存在感を希薄にするためではなかった」(Cosby)
Cosbyは、IBMのWebSphere顧客は、その大半がハイエンドソフトウェアを必要としている大企業だと話している。
一方Gluecodeのアプリケーションサーバは、WebSphereと比べてはるかに機能が少なく成熟度も低い。IBMでは、これを小規模企業ユーザー獲得の足がかりにしようと考えていた。
現在のところ、IBMにはオープンソースJavaポータルもしくはワークフローサーバプロジェクトに取り組む意図はないと、Cosbyは述べている。同氏によれば、Gluecodeのこれまでのポータル関連顧客は、サードパーティ企業へ委譲したということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ