11月10日に最終日を迎えたサン・マイクロシステムズ主催のJava開発者会議「JavaOne Tokyo 2005」。サンは今回のJavaOneで、「Information Age(情報の時代)」が終わり、「Participation Age(参加の時代)」が到来したことを強調している。米Sun Microsystemsのチーフオープンソースオフィサー、Simon Phipps氏は、最終日の基調講演にて、参加の時代で起こっている変化の例を挙げた。
Phipps氏は、「これまでの情報の時代では、セキュリティを確保するには境界線を引き、その中に誰も入れないという手法を取っていた。それが参加の時代では、電子IDによって身元を明らかにすることがセキュリティとなった」と述べた。また、情報の時代ではソフトウェアも巨大で単一構造だったが、「参加の時代では、ソフトウェアが小さな部品となり、サービス指向へと変化した」としている。「こうした変化は、マーケティング力で生まれたものではなく、社会がもたらしたものだ」(Phipps氏)
- 「参加の時代」について語るSimon Phipps氏
Phipps氏は、2004年にSun社員のブログページを立ち上げたが、これも「参加の時代において、顧客との関わりが会話中心となったためだ」と説明した。現在では、3000人のSun社員がブログで意見を述べているという。
また同氏は、参加の時代においてはソフトウェア開発の手法も変わるとしている。その手法とはオープンソースだ。Phipps氏は、これまでのように優秀なエンジニアを雇い、会社に閉じこめて開発するよりも、より多くの優秀なエンジニアにオープンソースコミュニティに参加してもらい、協力しあって開発を行う方が効率が良いと述べている。
ただしPhipps氏は、ソフトウェアがオープンソースというだけでは意味がないとしている。「いくらオープンソースソフトを使っても、オープンスタンダードを採用しない限り、閉じこめられた状態からは逃れられない」とPhipps氏。同氏は、「ソフトウェア開発者にとっての自由はオープンソースにあり、ソフトウェア導入者にとっての自由はオープンスタンダードにある」と述べ、オープンソースとオープンスタンダードを組み合わせることで自由が手に入るとした。