アドビといえばデザインとDTP?:Adobe MAX Japanで「開発」のアドビを知る

冨田秀継(編集部)

2009-01-19 15:37

 アドビシステムズは1月29日と30日の2日間、年次カンファレンス「Adobe MAX Japan 2009」を開催する。「Connect. Discover. Inspire.」をテーマに掲げたカンファレンスで、ウェブ開発者やデザイナーが相互に交流し、知識やスキル、インスピレーションを獲得する場を提供するイベントとなっている。

 Adobe MAXは北米、欧州、日本で開催されているが、日本開催のみどころをアドビ システムズ マーケティング本部の西山正一氏に聞いた。

Adobe MAX Japan 2009は2007年11月以来の開催となる。その間、ウェブ開発やデザイン分野で注目される技術も大きく変わった

 アドビは世の中の動きに負けないように、常に変わっている会社だ。例えば、5年前に「アドビ」の名前を聞いたとき、「デザイン」や「DTP」を連想する人が多かったと思う。

 しかし、現在はウェブ技術の発展が著しい。アドビもこの分野の盛り上がりに寄与したいと考えている。

そうした変化に伴って、アドビの技術や製品も変わったのだろうか

 「AIR」という技術の存在によって明確に変わった。前回のMAX Japanでは(正式リリース前のため)紹介するだけで終わったが、現在のバージョンは1.5。世の中での利用が明らかに広まっている点が大きな違いだろう。

 AIRは今のところ、ある意味で我々が期待したとおりの使われ方をしている。例えば、AIRの敷居の低さを考えてみてほしい。

 AIRはウェブ標準の技術をベースにアプリケーションを開発できる。そのため、アプリケーション開発の経験がない人でも、ウェブ開発の知識さえあれば、現在持っているスキルや知識だけで開発領域を広げることができる。ウェブ制作者やウェブデザイナーがアプリケーションを開発している例が多数見られるのだ。

 また、業務アプリケーションの開発者は、HTML表現の中で使いやすいものを開発するのに苦心していた。しかし、AIRによって、この領域にFlashのようなリッチインタフェースを導入できるようになった。

2007年11月当時、ほとんど注目されていなかったキーワードに「クラウド」がある。アドビはこの分野にどう取り組むのか?

 Adobe MAX Japan 2009の基調講演では、クラウドが重要なキーワードになる。講演するのはAdobe SystemsのCTO、Kevin Lynchだ。初日の基調講演のテーマは、次の3つのトピックが語られるだろう。

  • クラウド
  • ソーシャルコンピューティング
  • デバイス
Adobe MAX 2008の基調講演にも登壇したKevin Lynch氏。同社社長兼CEOのShantanu Narayen氏には「ハリー・ポッター」と紹介されていた Adobe MAX 2008の基調講演にも登壇したKevin Lynch氏。同社社長兼CEOのShantanu Narayen氏には「ハリー・ポッター」と紹介されていた

 29日の基調講演はテクノロジーに関わるトピックがメインで、日本国内の事例も紹介する予定だ。もちろんサプライズも用意しており、開発中の技術を披露できるだろう。是非会場に足を運んで聞いてもらいたい。

2日目の基調講演ではどのような話が聞けるのだろうか?

 Adobe MAX 2008 2日目の基調講演と同じ内容になる。Flash CatalystとAdobe Creative Suite 4とのワークフローなどを、実際の画面で説明する内容だ。

MAX 2008ではアドビ社員による演劇のようなデモが披露されたが……

米国で開催されたAdobe MAX 2008 2日目の基調講演の様子。演劇仕立てのデモだった 米国で開催されたAdobe MAX 2008 2日目の基調講演の様子。演劇仕立てのデモだった

 いやいや、それはやらない(笑)CatalystとCS4のワークフローを「まじめ」にやるバージョンだと思ってほしい。


 開催間近のAdobe MAX Japan 2009。1月20日に掲載予定の次回では、個別セッションのみどころ、期待の新製品「Flash Catalyst」「Gumbo」について話を聞く予定だ。

 Adobe MAX Japan 2009は1月29日と30日の2日間、ホテルグランパシフィック LE DAIBAにて開催される。申し込みはオンラインで受け付けており、締め切りは1月23日まで。

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