IBMが、企業による独自クラウドの開発とテストを支援するサービスを打ち出し、クラウドコンピューティング事業への取り組みを強化している。
IBMは米国時間6月16日の声明で、「Smart Business」ブランドに統合される一連のクラウド製品およびサービスを発表した。当初はクラウド開発と仮想デスクトップに注力するという。
平均的な企業は技術インフラの30〜50%を開発とテストに割り当てているが、そのうち最大90%が有効活用されていないのが一般的だ、とIBMは述べている。
「ソフトウェア開発者は、使用許諾を受けて、仕事に必要なシステムやツールを入手するのに、膨大な時間と生産性を失っている」と、IBMは声明で述べた。
IBMは、クラウド開発およびテストのサービスを3種類提供する。第1は、企業がIBMのクラウドでソフトウェアを稼働したりテストしたりできるベータ版サービスだ。第2のサービス「IBM Smart Business Test Cloud」は、企業のファイアウォール内にIBMが構築するプライベートクラウドだ。
第3の「IBM CloudBurst」は統合型のセットで、ハードウェア、ストレージ、仮想化、ネットワーキングといった製品群に、サービス管理システムが組み込まれている。
IBMによる開発への注力は、「Azure」を提供するMicrosoftや「App Engine」を提供するGoogleの動きを反映している。コンサルティング会社のOvumでIT調査部門担当シニアバイスプレジデントを務めるDavid Mitchell氏は、クラウドコンピューティングの現状を、クライアント/サーバ型アプリケーションの黎明期になぞらえる。
「最終的に最大の市場シェアを握ったのは、早い時期に開発者の思考様式をつかんだベンダーたちだった。Microsoft、IBM、Oracleの3社はいずれも、開発者の支持を勝ち取ろうと膨大な努力をした。クラウドコンピューティングでも同じような戦いが繰り広げられている」(Mitchell氏)
「クラウド時代に突入する中で開発者の心を勝ち取る者が、後で大きなシェアを握れる」とMitchell氏は付け加えた。
IBMはまた、独自のクラウド上やプライベートクラウド内にある企業データセンターの中で、仮想デスクトップをホスティングするサービスも提供する。IBMによると、このサービスは、消費電力を大幅に削減し、管理を簡素化するとともに、従来のデスクトップシステムに比べて、最安クラスのサポート費用を最大40%削減できるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ