IBM、「Smart Business」ブランドのクラウドサービスを発表

文:Toby Wolpe(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:矢倉美登里、高森郁哉

2009-06-17 11:42

 IBMが、企業による独自クラウドの開発とテストを支援するサービスを打ち出し、クラウドコンピューティング事業への取り組みを強化している。

 IBMは米国時間6月16日の声明で、「Smart Business」ブランドに統合される一連のクラウド製品およびサービスを発表した。当初はクラウド開発と仮想デスクトップに注力するという。

 平均的な企業は技術インフラの30〜50%を開発とテストに割り当てているが、そのうち最大90%が有効活用されていないのが一般的だ、とIBMは述べている。

 「ソフトウェア開発者は、使用許諾を受けて、仕事に必要なシステムやツールを入手するのに、膨大な時間と生産性を失っている」と、IBMは声明で述べた。

 IBMは、クラウド開発およびテストのサービスを3種類提供する。第1は、企業がIBMのクラウドでソフトウェアを稼働したりテストしたりできるベータ版サービスだ。第2のサービス「IBM Smart Business Test Cloud」は、企業のファイアウォール内にIBMが構築するプライベートクラウドだ。

 第3の「IBM CloudBurst」は統合型のセットで、ハードウェア、ストレージ、仮想化、ネットワーキングといった製品群に、サービス管理システムが組み込まれている。

 IBMによる開発への注力は、「Azure」を提供するMicrosoftや「App Engine」を提供するGoogleの動きを反映している。コンサルティング会社のOvumでIT調査部門担当シニアバイスプレジデントを務めるDavid Mitchell氏は、クラウドコンピューティングの現状を、クライアント/サーバ型アプリケーションの黎明期になぞらえる。

 「最終的に最大の市場シェアを握ったのは、早い時期に開発者の思考様式をつかんだベンダーたちだった。Microsoft、IBM、Oracleの3社はいずれも、開発者の支持を勝ち取ろうと膨大な努力をした。クラウドコンピューティングでも同じような戦いが繰り広げられている」(Mitchell氏)

 「クラウド時代に突入する中で開発者の心を勝ち取る者が、後で大きなシェアを握れる」とMitchell氏は付け加えた。

 IBMはまた、独自のクラウド上やプライベートクラウド内にある企業データセンターの中で、仮想デスクトップをホスティングするサービスも提供する。IBMによると、このサービスは、消費電力を大幅に削減し、管理を簡素化するとともに、従来のデスクトップシステムに比べて、最安クラスのサポート費用を最大40%削減できるという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

  3. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  4. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

  5. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]