NECは10月22日、ボリビア多民族国において12月6日実施予定の次期大統領選挙に使われる、有権者の二重登録を防止するための指紋照合システムを構築したと発表した。システム構築期間は4カ月という。
約400万人の有権者の指紋を、全国に約3000台設置した指紋読み取り機器を介してサーバ上のデータベースに事前登録し、投票者の指紋と登録されている指紋を照合する。あらかじめ指紋登録をしなければ投票できない仕組みになっており、選挙時の不正防止に効果があるとしている。
指紋照合の中核技術には、NECの自動指紋認証システム「Automated Fingerprint Identification System(AFIS)」を利用している。指紋データを蓄積するサーバは二重化して2つのデータセンタに設置し、サーバ間で適宜同期をとりながら、データの安全性を保持するとのこと。
ボリビア多民族国は、今回の大統領選挙で初めて指紋システムを導入する。将来的には議会選挙や国民IDの分野に活用することも検討されているという。NECは1970年代から指紋照合技術の研究開発に取り組んでおり、同社の製品は世界30カ国以上の警察、司法機関、入国管理局、内務省などに導入されているとのことだ。