IBM、「Power5+」プロセッサ搭載のUnixサーバを発表へ

Stephen Shankland(CNET News.com)

2005-10-04 18:29

 IBMは今月、新しいPower5+プロセッサを搭載したUnixサーバ製品を発売し、同製品の性能を強化することで、Sun MicrosystemsやHewlett-Packard(HP)、Intelの各社にプレッシャーをかけていく予定だ。同社は米国時間4日に新製品を発表する。

 既報の通り、この新しいチップは1.9GHzで動作し、「IBM System p5+」のローエンドモデルに搭載される。System p5+は従来の「pSeries」および「 eServer p5」にあたる製品だ。これらのマシンはLinuxもしくはIBM版のUnixであるAIXを搭載する。なお、同社は今後Linuxのみに対応する「OpenPower」の取り扱いを段階的に中止していくと、同社のJeff Howard(p5製品マーケティング担当プログラムディレクター)は述べている。

 さらに、IBMは前世代のPower5チップである「p5-505」を搭載した新モデルも発表する。高さ1.75インチのこのシステムは、同社初の「ピザボックス」型製品となる。

 先に登場したPower4やPower4+、Power5といったチップと同じく、Power5+はデュアルコアプロセッサである。同社はこうしたデュアルコアチップを搭載したサーバを利用して、SunとHPが支配してきたUnixサーバ市場で巻き返しを図ろうとしている。なお、現在はIntelやAdvanced Micro Devices(AMD)から出ているx86系のデュアルコアチップを搭載したサーバが主流の市場にも登場してきている。

 「それまでも速かったチップがさらに高速化している。これが同社の現在のポジションを固めることに役立つのは確かだ」と、IlluminataアナリストのGordon Haffは、IBMのPower5+チップについて述べている。

 新しいPower5+搭載の各モデルは10月14日に全世界で発売される。このなかには、2プロセッサコアのチップを搭載する「p5-520」、デュアルコアもしくは4プロセッサコアの「p5-550」、4または8プロセッサコアの「p5-550Q」--このサーバには新しいパッケージング技術が使用されており、2つの物理的なプロセッサが1つのマルチチップモジュールに収められている--、そして16コアのPower5+チップを搭載し、高性能コンピューティングに重点を置いた「p5-575+」などがある。同社はまた1または2コアのプロセッサを搭載する「IntelliStation Power 285」も発売する。

 小規模な企業顧客向けに用意される「Express」の価格は、2コアのp5-505が5750ドルで、2コアのp5-520が1万1896ドル、さらに8コアのp5-550が3万7428ドルとなる。

 現在ハイエンド向けには3つの主要なチップファミリーが存在するが、このなかで130ナノメートルから90ナノメートルへの製造プロセスに移行するのは、Power5+が2番目となる。新しいプロセスでは、1つのシリコン片上に収められる回路の数を増やすことができるほか、既存チップの場合はより小さくすることが可能で製造コストも下げられ、さらに動作時の消費電力を少なくできるメリットもある。

 IBMのHowardによると、Power5+プロセッサ搭載サーバには高速なDDR2メモリーインターフェースが採用されており、全体として15〜20%の性能向上が動作テストで確認されているほか、消費電力も少なくなっているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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