Intelからまもなく「Montecito」プロセッサの3つのモデル(1.6GHzおよび1.4GHzで動作)が発売されると見られているが、来年前半には少なくともさらに6つのモデルが登場する予定だ。
この広範な製品展開は、CNET News.comが確認したIntelの製品ロードマップで示されていたものだ。またこのなかでは、Itaniumとは異なり、より一般的なソフトウェアの動作するサーバ用プロセッサ「Xeon」についても、広範な製品展開が予定されていることが示されている。
このほか、このロードマップでは、加熱しすぎない限りはプロセッサの高速動作が可能になるというIntelの新技術「Foxton」の導入により、Itaniumの動作クロックが200MHzほど向上することが示されている。
Itaniumは、Montecitoで数年ぶりに大幅な変更が行われる。同プロセッサは、デュアルコアを初めて採用するItaniumとなる。ライバルのSun MicrosystemsやIBMでは、何年も前から、デュアルコア技術を導入してきた。こうした大幅な変更にもかかわらず、Intelではナンバリングの数字を9000番台に上げるものの、従来通り「Itanium 2」という名称を使用していく。
Intelでは、この件に関するコメントを差し控えた。
Intelの計画では、今年限られた数のMontecitoを出荷し、大量出荷の開始は2006年第1四半期になるという。Itaniumは度重なるスケジュールの遅れや、初期モデルのパフォーマンスの低さ、ソフトウェアが互換性を欠くことなどの影響を受け、Intelでは一般への普及に苦戦してきている。
「Montecitoは根本的に新しく、本当のデュアルコアプロセッサとして設計されている。これまでのシングルコア製品に比べ、非常に大きなパフォーマンス上のメリットがある」と、Envisioneering Groupのアナリストであり、MemoryLogixのシステムアーキテクトであるPeter Glaskowskyは述べている。だがIntelにとって不幸なのは、Itaniumを求めるユーザーの数が同社の望みよりもはるかに少ないことだと、同氏は付け加えた。
いっぽうで、SunとIBMは積極的に攻勢を掛けており、それぞれがMontecitoと同じく90ナノメートルnm製造プロセスを採用し、性能を向上させた「UltraSparc」と「Power」の新製品をリリースしている。またAMDでも、同社のサーバ向けプロセッサ「Opteron」にハイエンド向けの機能を追加してきている。
Hewlett-Packard(HP)はItaniumプロジェクトをスタートさせて、初期のプロセッサを(Intelと)共同開発したメーカーであり、Itaniumサーバの販売でも最大手である。そのほかに、Unisys、Silicon Graphics(SGI)、NEC、日立、富士通もItaniumサーバを提供している。これに対し、IBMとDellは、自社のサーバ製品ラインからItaniumベースの製品を外している。
最初に発売されるMontecitoは、1.6GHzの「9010」と、デュアルコアの「9020」(1.4GHz)、そしてデュアルコアの「9040」(1.6GHz)の3つだが、これらにはFoxtonが導入され、それぞれ1.8GHz、1.6GHz、1.8GHzになる。
9020と9040は、18Mバイトの高速キャッシュメモリをオンボードに搭載する一方、9010のメモリ容量は6Mバイトとなる。
さらに、IntelはMontecitoの低電圧版デュアルコアモデル「9018」も開発している。同チップの動作速度は1.2GHz(Foxtonにより1.4GHzまで高速化)、12Mバイトのキャッシュと400MHzのバスを搭載する。同チップも第2四半期に登場する予定が、62ワットという消費電力はItaniumのハイエンドモデルの130ワット(ピーク時)と比べて、かなり少ない。
第2四半期には、Itaniumの新しい最上位モデルも登場すると見られている。「9055」というこのチップは1.8GHz(Foxtonにより2GHzまで高速化)で動作し、24Mバイトのキャッシュを搭載する。
また、同四半期には9010、9020、9040がそれぞれ667MHzのフロントサイドバス(FSB)を採用する予定で、第1四半期に出るモデル(400MHzおよび533MHz)よりも高速化する。これらの新バージョンは「9011」「9021」「9041」と呼ばれることになる。
Montecitoは元々デュアルコアチップとして設計されているが、Intelではシングルコアモデルも第2四半期に出荷する。「9010」「9011」となるこれらのチップは1.6GHz(Foxtonにより1.8GHzまで高速化)で動作し、6Mバイトのキャッシュを搭載する。この2つのチップの違いは高速なFSBをサポートするか否かだ。
ミッドレンジの「9030」と「9031」はそれぞれ、1.7GHz(Foxtonにより1.8GHzまで高速化)で動作し、8Mバイトのキャッシュを搭載する。9031にはFSBが採用される。
Dempseyの登場
Intelは米国時間10日に、初めてのデュアルコアXeonを発表した。「Paxville」(開発コード名)というこのチップは、デュアルプロセッサ搭載サーバ向けのモデルだ。しかし、本格的なデュアルコアXeonは、2006年第1四半期に登場する「Dempsey」からとなる。
Dempseyの各モデルには5000番台のナンバーが割り振られる。第一四半期には、2Mバイトのキャッシュを2つづつ積んだモデルが少なくとも6種類投入される。これについて、Intelのロードマップでは次のようになっている。
- 「5070」(動作速度:3.46GHz/FSB:1066MHz/1000個出荷時の価格:851ドル)
- 「5060」(動作速度:3.2GHz/FSB:1066MHz/同価格:690ドル)
- 「5050」(動作速度:3GHz/FSB:667MHz/価格:455ドル)
- 「5040」(動作速度:2.83GHz/FSB:667MHz/価格:316ドル)
- 「5030」(動作速度:2.66GHz/FSB:667MHz/価格:256ドル)
- 「5020」(動作速度:2.5GHz/FSB:667MHz/価格:209ドル)
「Paxville」版のデュアルコアプロセッサ搭載サーバがすでに発売されているが、このチップは元々4基以上のプロセッサを搭載するサーバ向けに設計されていた。ロードマップによると、Paxvilleにはさらに4つのモデルがまもなく登場するという。これらはすべて7000番台となる。
最上位モデルにあたる「7041」は3157ドルで11月1日から発売される。同チップは3GHzで動作し、800MHzのFSBとデュアルの2Mバイトキャッシュを搭載する。一方、「7040」もほぼ同じ構成だが、FSBが667MHzである点が異なる。
また「7030」(1980ドル)は2.8GHzで動作し、800MHzのFSBとデュアルの1Mバイトキャッシュを搭載。「7020」(1177ドル)は2.66Ghzで動作し、667MHzのFSBとデュアルの1Mバイトキャッシュを搭載することになっている。
なお、Paxvilleの後継となる「Tulsa」には、最大で16Mバイトのキャッシュが積まれることになると、このロードマップには記されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ