NVIDIAの最高経営責任者(CEO)兼共同創設者であるJen-Hsun Huang氏は米国時間4月10日、金融アナリストらとの会合で、Intelを痛烈に非難した。Huang氏は、NVIDIAの市場シェアがIntelに押されて伸び悩んでいること、および、最近Intelの技術者がディスクリートグラフィックカードは将来「不要」になると発言したことに対し不満を述べた。
世界最大手のチップメーカーであるIntelは、自社チップセットの多くの製品に統合グラフィックシリコンを搭載するため、同社は世界最大のグラフィックチップサプライヤーにもなっている。同社が予定しているNehalemプロセッサは、メインプロセッサと同一のシリコン上にグラフィック機能を組み込む計画である。この設計による性能の大幅な改善が見込まれている。
Intelが巨大なグラフィック複合企業に写るこのイメージに対して、Huang氏は異議を唱えた。Huang氏が最初に非難したのは、Intelのグラフィックスおよびゲーム担当技術者が、将来、消費者はディスクリートカードを「必要としなくなるだろう」と発言したことだった。というのも、NVIDIAの本業はまさに、PC用ディスクリートグラフィックカード向けグラフィックチップの設計、販売だからだ。
「われわれもこんなことは言いたくない。しかし、われわれは来る日も来る日も、我慢に我慢を重ねてきた。あのような発言が許されるのか。しかも、毎日、世界中で言いふらしている。もうたくさんだ」
またHuang氏が特に注目したのは、Intelが将来、統合グラフィック性能を向上させると発言したことだった。これについてHuang氏は、Intelは性能を向上させると主張しているが、その時までにNVIDIAが達成する性能向上に比べれば見劣りすると語った。
Huang氏は「大いに異論ありだ。彼らは間違っている。フェアプレーの一線を越えている」と述べ、「NVIDIAは死に体になってしまう。なぜなら(Intelが)CPUにグラフィックを統合してしまったら、(NVIDIA)は耐えられないからだ」と語った。
Huang氏はまた、Intelのマーケティングについても非難した。「(Intelが)莫大なマーケティング予算を持っているからといって、また、全世界にプラットフォームがあるからといって、正当化されるわけではない。より規模の小さな企業を攻撃することは間違っている」
Huang氏はさらに、PC上でゲームをプレーすることについても積極的な弁護を展開した。というのも、多くの消費者はゲームをプレーすることを目的にNVIDIAのグラフィックチップを選んでいるからだ。Huang氏は最初に、Intelのグラフィックチップでは満足なプレーは望めないと切り出した。「このように述べているのはわれわれだけではない。例えば、Tim Sweeney氏もその一人だ。世界で最も重要なゲーム開発者の一人である同氏は『Intelには最新のゲームを(正常に)動かす能力がない。Intelの統合グラフィックスは全く機能せず、今後もすることはないだろう』と語っている。しかも、この発言は1994年のものではない。2008年3月10日の発言だ」
「(ゲームは)最も重要なアプリケーションの1つだ。私自身、ゲームをプレーする。ゲーム人口は以前に比べ大幅に増えた。今や(ゲームは)巨大産業だ。われわれは図らずもゲームの重要性を実感する。ゲーム開発者は重要だし、ゲームプレーヤーも重要な存在だ。また、オンラインゲームも、小売ゲームも、一人称シューティングゲームも、シミュレーションゲームも皆重要だ。私は成熟した大人だが、それらをまったく恥じてはいない」(Huang氏)
Intelはまた、高度なエンジニアリングや科学的なアプリケーション、そして恐らくゲームに対応する「Larrabee(開発コード名)」というグラフィックエンジンを計画している。
コメントを求められたIntel広報担当のDan Snyder氏は次のように述べた。「NVIDIAのCEOは、数カ月前から頻繁に同社の気持ちを述べてこられた。したがって、今回のことも特に驚くに値しないだろう」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ