インテル、6コアチップを発表

文:Brooke Crothers(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2008-09-16 15:47

 Intelは米国時間9月15日、6コア「Xeon 7400」プロセッサ(開発コード名:Dunnington)を正式に発表した。これを受け、サーバベンダーのUnisysは最大96コアに対応可能なサーバを発表した。ただ、このサーバにはある問題点がある。

 Intelは予想通り、ハイエンドサーバ向けDunningtonチップを発表した。このDunningtonチップは、同社初の6コアプロセッサであると同時に、「Penryn」クラスチップの最後のモデルとなる。Penrynに続くのが「Nehalem」マイクロアーキテクチャで、第4四半期に「Core i7」プロセッサとして発売される。

 Xeon 7400は、16Mバイトのキャッシュメモリと6基のコアを搭載し、従来モデルに比べ性能が大幅に向上している。

 また、Xeon 7400はモノリシック設計を採用した初のIntelチップの1つでもある。6基のコアがすべて1枚のシリコンに搭載されるのである。従来、Intelは2基以上のコアを持つプロセッサでは、2枚のシリコン(ダイ)を1つのチップパッケージに組み込んでいた。

 米Unisysは、他社に先駆けて自社システムにXeon 7400シリーズプロセッサを採用した。ペンシルベニア州ブルーベルに拠点を置く同社は15日、最大96プロセッサコアに対応可能な16ソケットサーバ「ES7000 Model 7600R Enterprise Server」を発表した。

 6コアサーバの最も魅力的な特徴としては、複雑なデータベースアプリケーションの処理に優れている点が挙げられるが、多くのサーバを2、3台のサーバに集約しやすいのもその1つだ。Unisysは、64のSQL ServerデータベースをXeon 7400を採用した1台の4ソケットサーバ(24プロセッサコア)に統合するデモを行ったという。これは、64台のシングルソケット、デュアルコアXeonプロセッササーバで構成される従来の「コモディティサーバファーム」を1つのサーバ構成に集約可能ということだ。

 しかし、この最高水準のハイエンド構成に影響を与える、ある問題点が存在する。「Microsoft のWindowsオペレーティングシステム(OS)のサポートは、インスタンスあたり64コア環境に限られているため、われわれは64コアまでサポートする」とUnisysのマーケティング担当バイスプレジデントColin Lacey氏は語る。

 「実際システム内には、96コアが物理的に存在する。しかし、各ソケット内の2基のコアは使わない。従って、実際に各ソケット内で機能するコアの数は(6基中)4基となる」(Lacey氏)

 Lacey氏は、Windows搭載のXeon 7400ベースサーバの性能を最大限引き出すには必要な条件だと語る。ただし、同氏は将来、64プロセッサの制限を改善するつもりだという。また同氏は、大半の顧客は、ほとんどの場合より少数のコアを搭載したサーバを選ぶため、彼らにとっては、「現実世界」において64コアが限界になるとは考えていないと付け加えた。

 Lacey氏によると、Linuxにはこのコア数の制限がないという。

 Advanced Micro Devices(AMD)は先週、Xeon 7400に対する先制攻撃を行った。AMDは、「Intelは古いフロンドサイドバス(FSB)アーキテクチャを採用し、それに6基のコアを追加した」と指摘した。同社のOpteronプロセッサでは、フロントサイドバス(プロセッサとメモリコントローラの間のデータ経路)を使わず、代わりに同一シリコン上にメモリコントローラを搭載してプロセッサの性能を加速させている。Intelも間もなく発売されるNehalemアーキテクチャでこの仕組みを採用している。

 ES7000 Model 7600Rの価格は、2万6430ドル〜13万5000ドルとなっている。

 Intelは、Xeon 7400ベースのプラットフォームをサポートしているソフトウェアベンダーとして、Citrix、IBM、Microsoft、Oracle、Red Hat、SAP、VMwareなどを挙げている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  3. セキュリティ

    経営陣に伝わりづらい「EDR」の必要性、従来型EDRの運用課題を解決するヒントを解説

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    中小企業のDX奮闘記--都市伝説に騙されずに業務改善を実現したAI活用成功譚

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]