Hewlett-Packard(HP)は2月11日、シンクライアントソリューション「Remote Client Solution」(RCS)のポートフォリオを刷新した。新製品として、ブレードPC新製品となる「HP bc2800 Blade PC」および「HP bc2200 Blade PC」を発表したほか、Citrixとのパートナーシップにより、これらのブレードPCにCitrixのデスクトップ仮想化ソリューション「Citrix XenDesktop 3」を統合して提供する。
HPでは、シンクライアントソリューションとして、複数のシンクライアントがサーバの資源を共有するサーバベースドコンピューティング方式や、サーバ上に複数の仮想PCを置く方式、そして今回新製品を発表したブレードPC方式などを用意している。Hewlett-Packard アジアパシフィック&ジャパン パーソナルシステムズグループ コマーシャルシステムズ部門でバイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャーを務めるDennis Mark氏は、「数年前まではサーバベースドコンピューティング方式が中心だったが、今ではさまざまなソリューションがある。この市場は成熟しつつあり、製品の選択肢も幅広くなってきた」と話す。
HPは2008年10月より徐々にシンクライアントソリューションをアップデートしてきた。10月にシンクライアント端末を発表したことに始まり、12月にはブレードワークステーションおよび「Remote Graphics Software 5.2」や「Session Allocation Manager 2.3」などのソフトウェアを、2009年1月にはハイパフォーマンスシンクライアント「HP gt7725 Thin Client」を発表した。今回のブレードPCの発表も、この流れの一環となる。
ブレードPCにバンドルして提供されるXenDesktop 3は、Citrixが米国で2月4日に発表したデスクトップ仮想化製品で、「Citrix HDX MediaStream」と呼ばれる技術を追加している。この技術により、マルチメディアデータを圧縮して仮想PCに送り、音声やビデオなどを通常のデスクトップPCと同じようにストレスなく再生できるようになる。Citrixによると、XenDesktop 3はHPのブレードPC向けに最適化して作られたカスタムバージョンだという。
HPの新ソリューションは、シンクライアント端末「HP t5630 Thin Client」と、新ブレードPCのHP bc220、統合スイッチと支援ソフトウェア付きBlade PCエンクロージャで、20枚以上のブレードを購入する場合の価格が1クライアントあたり850ドル前後となる。
日本国内では、今回発表したブレードPCを3月にも発表する予定だ。なお現在日本では、既存のブレードPC「bc2000」とモニタを含め、1クライアントあたり9万9750円(税込)というキャンペーン価格で提供している。今回ワールドワイドで発表されたソリューションにモニタの価格は含まれていないが、日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション統括本部長の松本光吉氏によると、日本では新製品も現在のキャンペーンに近いセット内容と価格で提供される可能性が高いとしている。