グローバルな課題として各国政府、組織、個人の環境に対する意識が高まるなか、IT業界でも取り組みが進んでいる。
Intelで環境対応に取り組んでいる法務・渉外部門 副社長 兼 国際政策担当ディレクターのDonald Whiteside氏と、同エコ・テクノロジー本部 本部長のLaurie Wigle氏が来日し、日本法人本社で環境戦略を説明した。
CO2排出量だけではないインテルの目標設定
Intelでは環境戦略を「製造体制」「電力効率に優れた性能」「環境に配慮した設計」「業界各社との連携」といった観点から取り組んでいるという。
「1995年に当時の会長であったGordon Moore氏が、その時点で環境戦略について言及。Intel社内にイノベーションの意識を植え付けると同時に、環境に対するリーダーシップの概念を植えつけた。それが現在につながっている」とWhiteside氏は語る。
今年5月にはIntelの社長兼CEOのPaul Otellini氏がCSRレポートのなかで、「地域社会と環境に対して包括的に進んで取り組むことは、人々や地球だけでなく企業に利益をもたらすことになる」とのコメントを掲載。環境に対する取り組みを全社規模に浸透させ、より加速する姿勢を示していた。
Whiteside氏によれば、Intelは1CPUあたりのCO2排出量を2004年比で2010年度に30%削減するという目標を掲げていたものの、これを2008年に達成し、すでに40%の削減になっているという。
また、最先端のマイクロプロセッサが水を10ガロン利用することに対し、ジーンズ1本が1800ガロン、ミルクには65ガロン使用されていることを指摘。さらに32nmプロセスでは超純水の利用量を10%削減、化学廃棄物を20%削減、温室効果ガスを15%削減していることなどを示した。
Whiteside氏は、「IntelはCO2の排出量削減だけを目標とするのではなく、水の使用量や化学廃棄物をはじめとする様々な指標で目標を掲げ、それに取り組んでいる」ことを強調した。
ITのエネルギー消費は約40%がクライアントPC
次にWigle氏が「ムーアの法則」の環境への適用を説明した。