UPDATE Intelは米国時間1月5日、長い間待ち望まれていた同社のデスクトップおよびノートPC向けCPUの新シリーズをデモンストレーションで披露した。これにより、グラフィックスプロセッサを別に用意することなく、高品質なビデオやゲームを処理できるようになる。
「Sandy Bridge」として知られ、同社が現在「2nd Generation Intel Core」と呼ぶ同プロセッサシリーズは、CPUにグラフィックスチップを統合することにより、性能を向上させている。これにより、ハードウェアメーカー、特に低価格PCを製造するメーカーは、Intelのライバル企業であるAdvanced Micro Devices(AMD)やNVIDIAが提供するグラフィックスプロセッサを個別に搭載する必要がなくなる。
Intelのバイスプレジデントを務めるShmuel "Mooly" Eden氏は、ラスベガスで開催の2011 International CESにおいて報道陣らに対し、「ユーザーエクスペリエンスが重要だが、パフォーマンスも必要である」と述べた。同氏によると、Sandy BridgeはIntelのこれまでのチップよりも69%高速であるという。
Eden氏は、高速なビデオのフォーマット変換、Valveが近日発売予定のゲーム「Portal 2」での複雑なグラフィックスのレンダリング、瞬時にリサイズ可能な多数のビデオクリップの再生を同時に実行する一連の動作を披露し、同プロセッサシリーズの能力の高さを示した。
Sandy Bridgeには1つ、論争を巻き起こすかもしれない機能がある。つまり、CPU内部に組み込まれたデジタル著作権管理(DRM)機能だ。
Eden氏は、映画制作会社が映画を劇場上映すると同時にPCに配信できるようにするには、コピー防止技術の組み込みが必要だったと述べた。映画制作会社のサーバと各家庭のPCの間に「保護されたリンク」を設け、映画制作会社が安心できるようにする必要があったと同氏は述べた。
Warner Brothers、Fox、そしていくつかのインドの映画制作会社が「素晴らしいコンテンツをリリース後の早い時期にPCにストリーミングできるようにする」ための取り組みに参加しているとEden氏は述べた。
Warner Brosのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるKevin Tsujihara氏がIntelのイベントに登場し、新作映画がたびたび海賊版の被害に遭うことから、同社はこれまで「価値の高いコンテンツ」をPC向けに配信することには乗り気ではなかったと述べた。
「今後は、コンテンツを早い時期に提供するつもりである」とTsujihara氏は述べたが、詳細については語らなかった。
この「Intel Insider」と呼ばれるテクノロジは、ソフトウェアではなくハードウェアに依存するものであるため、IntelはこれまでDRMという語を使用することを避けてきた。DRMという語は、ハッカーやオープンソース支持者らの感情を害する傾向にあるためである。同社は4日付のブログ投稿でDRMについて、「映画をインターネット経由でユーザーのディスプレイに届ける武装トラック。海賊からデータを守りつつ、ユーザーが合法的に取得した映画をできる限り高い品質で楽しめるようにする」と表現した。
Intelは、Best Buyの「Cinemanow」サービスもデモで披露し、Sandy Bridge搭載PCがあれば、映画「インセプション」を高解像度でストリーミングできることを示した。
Sandy Bridgeについては、メーカーらによる発表も出始めている。Hewlett-Packardは今週、デスクトップ「Pavilion Elite」の一部にSandy Bridge CPUを搭載する予定であると述べた。2010年12月には、近日発売予定のノートPC「Pavilion dv7」にもSandy Bridgeが搭載されるという情報がリークしていた。東芝も5日、新しくアップデートする同社のノートPCシリーズにSandy Bridgeが搭載されると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。