メールは便利なツールだ。情報の受け渡しにとても役立っている。ただし、顧客情報、商品情報、経営情報などさまざまな情報で、その量や鮮度が大きな価値を生む現在、簡単に情報を受け渡せるメールは、十分に注意して扱うべきものにもなっている。
特に、企業内で使用するときには、メールで受け渡された情報を社員間で適切に共有できることに加えて、不正に参照されないようにきちんと管理できなければならない。
ドリーム・アーツは、同社が開発/販売する企業情報ポータル「INSUITE Enterprise(インスイート・エンタープライズ)」のウェブメールオプションを大幅に改良し、現在「Ajaxメーラー」として提供している。
このAjaxメーラーは、Ajaxというユーザーインターフェース構築技術の特徴を生かし、従来のメーラーと同等の操作感でスムーズに扱えるウェブメーラーになっている。今回、Ajaxメーラーを試用する機会を得たため、その機能や操作性などをみてみることにした。
POPとIMAP
メールを使い始めて何年くらい経っただろうか。筆者は、15年以上、おそらく20年近くになる。そして、今では、メールなしに日々の営みを続けることはできない。筆者と同じ境遇の読者も多いだろう。
メールは、ウェブブラウザと同じく、誰もが利用するツールでありサービスになっている。メールによって、距離や時間による制約を受けずに、他人とコミュニケーションし情報を受け渡せる。
一般にメーラーと呼ばれているメールクライアントと、メールサーバ間で使われるプロトコルには、POP(Post Office Protocol)とIMAP(Internet Message Access Protocol)の2つがある。
このうちPOPを使った利用形態では、メールサーバが受け取ったメールは、メーラーによる参照時にメーラーによってダウンロードされサーバ上から削除される。したがって、いったんメーラーによって参照されたメールの管理は、メーラーが動作するクライアントマシン上で行われることになる。
これに対してIMAPでは、メールサーバが受け取ったメールは、メーラーによって参照された後もサーバ上で管理され続ける。