ウェブブラウザでシューティングゲーム「Crysis」をプレイできたら、と願う人に朗報だ。影響力のある2つの団体が手を組み、アクセラレーテッド(加速された)3Dグラフィックスをウェブにもたらそうとしている。この動きは、いずれオンラインゲームや他のウェブアプリケーションの改良につながる可能性がある。
ウェブは、派手で洗練されたインターフェースを伴うアプリケーションの基盤として徐々に改善されているが、ウェブ上の3Dグラフィックスは依然として原始的なままだ。だが今回、ウェブブラウザ「Firefox」の開発にかかわるMozillaと、広く普及している「OpenGL」画像インターフェース技術を管理するコンソーシアムKhronos Groupが共同で、ウェブ上のアクセラレーテッド3Dグラフィックスの標準を策定しようと試みている。
KhronosはMozillaからの提案に応えて、著作権フリーの仕様策定を目指す「Accelerated 3D on Web」ワーキンググループを設立した。サンフランシスコで開催されたGame Developers Conference(GDC)でKhronosが行った発表によれば、同グループの目標は、12カ月以内に最初の公開版を作成することだという。
この提案を支えているのは、ウェブベースのアプリケーションの作成に多用されているプログラミング言語JavaScriptにおいて、大幅な速度向上に向かうトレンドがあることだ。提案には、JavaScriptをOpenGL標準に組み込んで、アクセラレーテッドグラフィックスを作成するための仕組みも含まれている。
Mozillaのエバンジェリスト、Chris Blizzard氏は米国時間3月24日、ブログ投稿の中で次のように述べた。「超高速な次世代JavaScriptエンジンを伴うアクセラレーテッド3Dグラフィックスがほぼすべてのウェブブラウザベンダーに支持されることは、つまり、オープンなウェブ技術を用いて作成されるアプリケーションの一層の進歩が目に見える形で始まるということだ。3Dはこの構想の大きな部分を占めており、われわれは今回の提案を話し合いの場に提出できたことを喜ばしく思う」
Mozillaは、「Firefox 3.5」のリリース後に、同ブラウザの機能拡張としてアクセラレーテッド3Dグラフィックス技術をリリースする計画だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ