初の携帯電話版「Firefox」に向けた取り組みをMozillaが完了させつつあることがわかった。Mozillaにとっては、パソコン向けブラウザでは2位の座にあるFirefoxを、ライバルプロジェクトが幅をきかせているモバイル分野に投入するための重要なステップといえる。
Mozillaのモバイル担当バイスプレジデントJay Sullivan氏は、「12月第3週中にリリース候補(RC)版を出すことを目標にしている」と語っている。同氏はまた、「順調に行けば、数週間以内に(最終)バージョンができるだろう」と付け加え、2009年中の提供開始を予定していることを明らかにした。
Mozillaはウェブの最新技術の推進を先導するリーダー的存在を務めてきた。だが、携帯電話の世界では、当初は補助的存在であったブラウザが新世代のハードウェアの威力によって実用的なツールへと変化する中、Firefoxの姿は見られなかった。
これに対し、最新のハイエンド携帯電話で動くブラウザのベースとなっているのが、「WebKit」と呼ばれるオープンソースプロジェクトだ。WebKitを採用している携帯電話には、Appleの「iPhone」やPalmの「Palm Pre」、さらにはMotorolaの「Droid」をはじめとするGoogleのオペレーティングシステム「Android」搭載端末などが含まれており、「BlackBerry」もその方向に向かっている。
一方、初の携帯電話版Firefoxは、強力な機能を持ちながらもやや注目度が低いNokiaの新製品「N900」に搭載される予定だ。N900はコンピュータと携帯電話の機能を併せ持つハイブリッド端末(価格は569ドル)で、Nokiaが開発したLinuxベースのオペレーティングシステム「Maemo」を使用する。また、「Windows Mobile」版のFirefoxは2010年のリリースが予定されており、Android向けバージョンについても、Googleがネイティブコード開発キットをリリースしたことを受け、Mozillaが取り組みを始めたところだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ