Microsoftからの突然の後押しを受けて、ウェブ上のリッチなタイポグラフィを目指す取り組みは、実現に向けて大きく前進した。
Microsoftは米国時間4月19日、「Web Open Font Format(WOFF)」と呼ばれる技術を用いたウェブベースのフォントの標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)の新たな取り組みへの支援を正式に表明した。これはMicrosoftが新たなウェブ標準と深く関わっていくことを示す最新の兆候となっており、デザイナーにとっては、単に人々のコンピュータ上にインストールされた数種類の書体だけでなく、さらにウェブでの表現を広げていく取り組みに大きな後押しが得られたことを意味している。
MozillaやOpera SoftwareがWOFFを支持するのを見るのは、両社が長年に渡ってウェブの最高水準の技術を推進することに努めてきた点を考えても特に驚くべきことではない。しかしながら、Microsoftの場合、これまで何年も独自の路線を歩んできた後に、ウェブ標準に対する新たな関心を示し、いまやWOFFをW3Cで標準化していくことへの支持を表明する強力な味方となっている。
W3CのWebFonts Working Groupは、今回の進展に関する声明を出して「ブラウザメーカー、ツールクリエーター、書体のデザイナーなどから、WOFFに対する関心が高まってきているため、まもなくWOFFは単独の相互運用性を備えたフォーマットとして認められることになり、さらなるサポートの拡大も期待できるだろう」と述べた。
Microsoftの「IE9」は、まだ不完全なプレビュー版でしか入手できないものの、Microsoftの地位を回復させ得る製品としてブラウザ業界に波紋を広げている。IE9でWOFFがサポートされるかどうかは現時点では定かでなく、Microsoftも同社の計画についてコメントを出していないが、兆候としてはIE9でサポートされる可能性が高い。
参考として、Microsoftは1月に「Scalable Vector Graphics(SVG)」と呼ばれるウェブグラフィックスの標準化への取り組みに参加し、その数週間後には、IE9のプロトタイプでSVGが強力にサポートされた。さらに、ハードウェアアクセラレートされた、高品質のフォントが採用されていることは、IE9が中心的な機能に掲げている点である。
W3Cは、WOFFの標準化を進める目的で、3月に新たな作業部会となるWebFonts Working Groupを認可した。WOFFの標準化を申請することにより「その技術的な作業の開始が可能になる」と、WebFonts Working Groupは語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ