日本オラクルは6月30日、東京都内で「Oracle Cloud Computing Summit - Server & Storage Day Tokyo」を開催した。サン・マイクロシステムズとの統合を経て“新生オラクル”となったタイミングでもあり、サンが持っていた製品や技術とオラクルのソフトウェアにより、どのような「クラウドコンピューティング」が実現できるのかを語る機会となった。
“クラウド”は経営のキーワードに
冒頭で挨拶した日本オラクル 専務執行役員 システム事業統括 兼 事業推進統括の大塚俊彦氏は、日本国内でも6月1日付けでオラクルとサンの統合が完了したことに触れ、「アプリケーションからディスク、チップに至るまで、統合的なスタックをお客さまの豊富な選択肢としてご提供できる企業として出発した“新生オラクル”にご期待いただきたい」と語った。
また、大塚氏はクラウドコンピューティングについて、「ITのキーワードから経営のキーワードになり、その存在感は日に日に増している」とした。この辺りは、どちらかという技術志向だったサンと、常にITを経営のためのツールと位置づけるオラクルのスタンスの違いをも反映しているようで面白い点だとも言えるが、見方を変えれば、経営のキーワードとなった段階からが「オラクルの出番」なのだということだと理解することもできるだろう。
同氏はまた、「クラウドを支える重要要件がいくつかある」とし、具体的には「俊敏性」「コストの効率性」「堅牢性」「アプリケーションのパフォーマンス」「管理の容易性」といった要素を挙げた。オラクルのクラウド事業は、こうした要素に対するユーザーの要望を踏まえた上で展開されるというわけだ。
まとめとして同氏は、「サンとオラクルの統合を機に、新しいクラウドコンピューティングの事業を新たに展開していく」としつつ、両者のクラウドへの取り組みはここにきて急に始めたものではなく、「クラウドに関しては、オラクルもサンも従来からさまざまな形で技術開発を行なってきている。オラクルはSaaSプロバイダーでもあるし、サンもオラクルもパブリッククラウドの基盤技術に関しては長年に渡り技術開発/提供を行なっている」ことを強調した上で、「今回の統合を機にクラウドに関する要望にもフルスタックで提供する環境が整った」と位置づけた。