サイボウズ、ソフトブレーンをはじめとする国内のソフトウェアベンダー13社は8月7日、国産ビジネスソフトウェアの認知度向上と各社製品の相互連携によるビジネス基盤の強化を目的とした団体「メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(MIJSコンソーシアム)」を発足、同日より運営を開始したと発表した。
8月7日現在、同コンソーシアムの会員企業は、発起人代表となる前出の2社のほか、アプレッソ、インフォベック、ウイングアーク テクノロジーズ、ウッドランド、エス・エス・ジェイ、クオリティ、構造計画研究所、システムインテグレータ、東洋ビジネスエンジニアリング、HOWS、リード・レックスの11社。
ソフトブレーン、代表取締役社長の松田孝裕氏は同コンソーシアム発足の背景として、日本のベンダーによる国産のビジネスソフトウェアが、質が高いにもかかわらず、海外ベンダーのブランド力や総合力に苦戦している現状を説明。会員企業間での情報共有や、各社の提供するソフトウェア同士の相互連携機能を共同で開発することにより、国内、海外の両市場で、ビジネス基盤を強化することが目的になるという。
「日本のソフトウェアは決して海外製品には負けない質をもっている。にもかかわらず、国内では、海外製品のブランド力や資金力に押されて苦戦している現状があり、さらに、海外進出を試みても、各社が単独で活動している状態で劣勢を覆すのは難しい。MIJSコンソーシアムでは、各会員企業が共同で、日本産ソフトウェアのナショナルブランドを確立することを目指す」(松田氏)
MIJSコンソーシアムは、当面はLLP(有限責任事業組合)として運営し、ソフトブレーンに活動および運営を委託する。将来的には運営子会社の設立も検討しているという。コンソーシアムの運営費は、各会員企業が負担する形となる。
同会では、「会員として参加が望ましい企業」として「国産ソフトウェア製品を保有し、そのライセンスおよびソフトウェア製品の関連売上が全体の過半数を超える企業」もしくは「あるジャンル(セグメント)で、トップシェアを有するかそれに準ずるソフトウェア製品を保有している企業」とした方針を示している。同会の趣旨に賛同し、規定のルールに則って活動を行う企業であれば、既存の会員企業と同セグメントの製品を持つ企業でも参加を認めるという。
今後のロードマップとしては、第1段階として各ベンダーが有する製品の連携機能の開発を9月をめどにスタートし、11月以降には第2段階として、SaaS連携機能、パッケージ連携機能の共通プラットフォーム作成を開始する。これにより、ベンダーを横断した形での一括ユーザー登録やシングルサインオンなどが可能になるという。加えて、2007年2月以降には、SOAをベースとした連携基盤の開発を目指しており、最終的には、容易に相互接続が可能なマルチベンダー環境の構築を行うとしている。
発表会では、個別製品の連携例として、サイボウズのグループウェア「サイボウズ ガルーン2」、ソフトブレーンの営業支援ソフト「eセールスマネージャー」、ウイングアーク テクノロジーズのBIツール「Dr.Sum EA」を連携したデモを披露した。ガルーン2のログイン画面からサインオンし、eセールスマネージャーおよびDr.Sum EAのデータとUIに透過的にアクセスできるというものだ。将来的には、各社製品のGUIの統一やソースコードの共有までも視野に入れているという。
海外進出に関しては、まずは中国を筆頭に欧米も対象とし、日系企業、現地企業での実績を増やす方針。パッケージ提供のほか、ASP(SaaS)形式でのサービス提供も検討する。