Microsoftは米国時間5月3日、Yahoo買収案を取り下げたことを正式に認めた。
Microsoft最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、YahooのCEOであるJerry Yang氏にあてた書簡で、Microsoftは1株あたり33ドルを提案する意思があったが、Yahooが最低37ドルまで応じようとしなかったことを認めている。37ドルの場合、Microsoftが想定していた金額より50億ドル多くなる。また、この書簡でBallmer氏は、株主に直接提案することは否定している。
Ballmer氏は、「このアプローチの場合、委任状争奪戦や株式公開買い付けを招くことになる」と述べている。「これまでのYahooとの協議を振り返った結果、Yahooを買収対象としてふさわしくないようにするための手段を、Yahooが当分の間とっていくだろう、とMicrosoftでは判断した」(Ballmer氏)
Ballmer氏は特に、有料検索でGoogleと提携するYahooの計画について指摘した。「『敵対的な』提案に対処するあなた方の計画を、われわれは特に注意深く見守ってきた。あなた方は、今日Yahooで提供される主要な有料キーワード検索広告をGoogleにアウトソースすることにつながる提携を模索している」(Ballmer氏)
そのような動きは、Yahooの戦略と長期の生存能力を弱らせ、エンジニアらを引き留めておく能力を損なうだけでなく、規制問題や法的問題を引き起こすと、Ballmer氏は述べている。
Ballmer氏は声明で、Microsoftは自社の戦略を追求していくと述べた。
Ballmer氏は、「注意深く検討した結果、Yahooの経済面での要求は、われわれにとって理にかなっていないと確信している。われわれが提案を取り下げることは、Microsoftの株主、従業員、そのほかの株主にとって最大の利益になる」と述べた。「Microsoftには優れたチーム、すばらしいプランがあり、革新的な新サービスやビジネスパートナーとの戦略的な取り引きを通じて成長してゆくことが可能である。Yahooを取得すれば、戦略を加速させることが可能になるが、Yahooなしでも、ゴールに向かって進むことができると確信している」とBallmer氏は続けた。
Yang氏への書簡で、Ballmer氏はMicrosoftからの提案がYahooの株主たちにとってベストの選択肢であると、繰り返している。
「今もわたしはMicrosoftの提案が、Yahooの株価を正当に評価する唯一の選択肢だったと信じている。YahooとYahoo株主はわれわれと合意しなかったことで、非常に大きなチャンスを逃した。しかし、合意に至らなかったことは明らかだ」(Ballmer氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ