なんとなくつけたテレビで、日本刀が出来上がるまでのプロセスをやってました。硬く折れにくい日本刀は、硬くもろい鉄(鋼:はがね)と、やわらかく粘り強い鉄(芯鉄:しんがね)を圧接して造られます。これは硬く折れにくい鉄が無いからだそうです。
圧接はこれら性質の異なる鉄を重ねて熱し、何度も繰り返し叩くことで、鉄の中の気泡や不純物を火花と一緒に飛ばしながら行われます。刀匠が繰り返し鉄を叩く姿は、まさに熱心、勤勉という言葉がピッタリです。
鋼だけを叩き続けて純度を高めれば、硬くなる反面、もろさが増して折れやすくなるのだそうです。逆に芯鉄の純度を高めれば、粘り強くなる反面、硬さが失われてしまう。
そんな鉄の性質が、なんだか自分といっぱい重なります。硬く折れにくい本物を作る刀匠は、鋼と芯鉄をバランスよく重ねた上で、それを熱心に、勤勉に叩きます。今のまま、それを叩き続けて本当にいいのかい?大事なものを重ね忘れてやしないかい?と、たまにものすごく心配になるのです。