かつて隆盛を誇った通信機器メーカーNortel Networksが現地時間1月14日、連邦破産法11条の適用を申請した。
Nortelは2001〜2002年に通信業界を直撃したITバブル崩壊以降、経営基盤の回復に取り組んできた。しかし、最近の信用危機が最終的に、Nortelによる運営資金の調達を困難にし、同社の終末を告げることになるかもしれない。また同時に、同社の音声のみを扱う通信機器の需要が大幅に落ち込んでいる。
Nortelの経営陣はここ数カ月間、経費削減に取り組んできた。同社はまた、生き残りをかけて資産の一部を売却する動きもあった。それでも同社は、増大する債務の支払いや売り上げの急落に対応しきれなかったようである。
カナダのオンタリオ州トロントに本社を置く同社にとって、最も差し迫った問題は380億ドルに上る債券の利払いである。The Wall Street Journalの報道によると、Nortelは今週、1億700万ドルの利払い期日を迎えるという。
破産保護が必ずしも企業の終焉に結びつくわけではないが、現在の経済状況の中で、ただでさえ経営難の同社にとって、同社製品に対する顧客の購買欲を刺激するのがさらに困難になるという悲惨な状況になる可能性がある。こうした傾向については、最近になって米連邦会議に救済を求めた自動車メーカーらも、顧客はサービスの存続が危ぶまれる企業から購入しようとしないだろうとして、支援を要請する論拠としている。
Nortelにはおよそ26億ドルの現金があるため、少なくとも2010年まではもつだろうとみるアナリストもいる。だが、業界専門家の中には、同社の困難はよりいっそう深くなっているので、連邦破産法11条による再編中に事業が分割され、売却される可能性が高いのではないかとみる向きも多い。
ニューヨーク証券取引所は2008年12月、Nortelに対して株価が1ドルの下限を上回らなければ上場廃止にすると通告していた。同社の株価は現在32セントまで下落している。
こうしたNortelの状況は、長年にわたる戦略の失敗によって徐々に企業価値を失った結果といえる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ