富士通新社長Q&A「プロセッサ事業はクラウドの差別化要因」

田中好伸(編集部)

2010-01-22 21:35

 富士通は1月22日、4月1日付けで執行役員社長に山本正己氏が就任することを発表した(関連記事「富士通、新社長人事を発表--間塚暫定政権は年度内で終了」「富士通新社長 山本氏『私の経験が大いに役立つ』--若いリーダーの就任会見」「人望厚い、ファンが多い、現場主義--富士通新社長の評判と腕前」)。現在、会長と社長を兼任する間塚道義氏は社長との兼務から解かれ、会長職に専念する。会見での質疑応答は以下の通り。

これからはヒューマンセントリック

間塚氏 4月から間塚氏は会長職に専念する

――新しい社長の要件はどういったものだったのか。

間塚氏:IT産業は大きく変わろうとしていて、変革の時期にある。今年はクラウドコンピューティングが拡大すると見ている。そのクラウドの延長線上に「ヒューマンセントリックコンピューティング」があると見ている。

 これはITのパラダイムシフトと呼べるもので、人の行動や知の創造を支援するものであり、今後10年のレンジで頑張っていきたいと思っている。

 山本さんはワープロ専用機の「OASYS」やPC、IAサーバなど、常に時代の最先端のモノを担当してきている。決めたことは徹底的にやり抜く行動力があり、新しい開拓地を切り開く胆力がある。新しい時代を牽引するのにふさわしいと思っている。新しい時代には56歳という若さが重要だ。56歳での社長就任は、富士通の歴代社長の中でも2番目の若さだ。

――副社長は5人体制となっているが、これはどういうことか。

間塚氏:現在は変化の激しい時代であり、これからの新しい時代はスピードが重要だ。昨年9月から社長を経験してきた中で、そのことを実感している。その実感から、それぞれの専門を持った人材がサポートして素早く決断することが重要と思って副社長を5人にしている。

 副社長5人の役割は、Richard Christouが海外を、石田一雄がクラウドを中心としたサービスビジネスを、藤田正美が管理部門を、佐相秀幸がシステムプロダクト全体を、生貝健二がソリューションビジネスを、それぞれ担当する。今回の役割は縦割りではない。それぞれが富士通全体のことを考えている。

――現体制は副社長が3人だ。新体制は5人だが、これは多くないか。

山本氏:現体制はサービスとソリューションを兼任していたという形であり、5人が多いとは決して思わない。

間塚氏:昨年10月から現体制でやってきているが、富士通の規模と事業を考えると副社長5人が多いとは思っていない。

取締役は今後決める

――現在、代表取締役副社長を務める広西光一氏と富田達夫氏、取締役副会長の伊東千秋氏、取締役相談役の秋草直之氏はどういった処遇になるのか。代表取締役はどうなるのか。

間塚氏:広西さんと富田さん、伊東さんには3月31日まで副社長を務めてもらう。秋草さんについては、今後考えていく。取締役については株主総会がある6月まで継続することになる。

 昨年9月の野副(州旦)さんの辞任から、会長と社長を兼任しているが、これはかなりハードだ。そこで山本さんに4月1日から社長を務めてもらうことにした。株主総会が終わってからの6月からでもいいのではないか、という意見もあるが、やはり年度の初めからやってもらいたいと思って、4月から始めることにした。株主総会後は山本さんが代表取締役を務めることになるだろう。

――新体制では、取締役経験のない人が取締役になるが、大丈夫か。またCFO(最高財務責任者)が入っていないが大丈夫か。

間塚氏:CFOがいないということについては、これから議論をしていきたいと思っている。ボード(取締役会)に取締役経験のない人が入るということについては、新しい人にやってもらうことにかけたいと思っている。6月までのボードには、新体制の社長と副社長にオブザーバーとして参加してもらうことにする。

 今回決めたのは、経営の執行体制であって取締役についてはこれから決めていく。秋草さんが取締役を退任するかどうかは決まっていない。

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