帝国データバンクは8月9日、2001年から2010年7月までのシステム・ソフトウェア開発業者の倒産件数や負債額などをまとめた。それによると、2010年は7月までの倒産件数が107件で、過去最悪となった2009年に迫る勢いで推移しており、8月以降の動向が注目されるとしている。
2001年以降の倒産は累計で1113件となっており、特に2008年以降に急増する動きを見せているという。1113件の内訳は、業歴別では10年未満の倒産が47.7%、負債規模別では5億円未満が92.7%、態様別では破産が91.6%を占めているとしている。
2004年に75件あった倒産は、2009年に206件となり、5年間で約2.7倍に膨らんでおり、特に2008年以降の急増ぶりが目立っているという。国内のシステム・ソフトウェア開発業者の多くは1988〜1991年のバブル期と1996〜2005年ごろに創業または設立されており、年別で見ると2000年が最も多いという。
2000年は、新興3市場の新規株式上場社数がピークを迎えた年であり、この頃を境に職場や家庭でPCが急速に普及、企業や官公庁などの事務手続きのシステム化が進んだことから、受注元の大手システム会社からの業務委託需要が急増し、小規模のシステム・ソフトウェア開発業者が全国で多数設立されたと見られている。
しかし、その後の10年で各所でのシステム化が一巡したことや、近年の世界的な経済不況の影響で経費削減、事業計画の見直し、先送りなどが相次いだことから業界内の急速な淘汰が進んだと帝国データバンクは分析している。