IT運用管理業務のベストプラクティスとされている「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」の中で、中核的な役割を果たすといわれる「CMDB(Configuration Management DataBase:構成管理データベース)」。日本ヒューレット・パッカード(HP)は9月6日、このCMDBに基づき、既存のITリソースを生かしつつ複数のデータベースを連携させるという新戦略「Active CMDB」を発表した。
Active CMDB戦略について説明するHPの松木氏ITILで推奨する考え方は、CMDBで管理情報を一元化することにより、作業の効率化が図れるというものだが、日本HP ソフトウェア統括本部 ソフトウェア・マーケティング部 ITSMスペシャリストの松木仁氏は、「実際のIT環境は、CMDBやそれに類似したデータベースが複数存在し、その維持管理が難しくなっている」と指摘する。そこで、調査会社などでは、複数のデータベースを連携し、データを同期・調整することで、ひとつのデータベースであるように使い、CMDBを実現するよう提案している。ただ、このようなケースの問題点としては、「一般的に同一ベンダーの製品間でのみ接続が保証されることだ」と松木氏はいう。
そこでHP推奨するActive CMDB戦略では、「HPの管理製品のみならず、他社の管理製品なども含めた既存のIT投資を利用しつつ、複数のデータベースを連携させる」と松木氏。接続可能な製品には、BMC SoftwareのRemedy製品、IBMのTivoli、LANDesk Softwareの管理製品、MicrosoftのSystem Management Server、SAPのmySAP ERPなどがある。
HPでは同日、Active CMDB戦略を強化するためのOpenView管理ソフトウェアを4製品発表した。ITILのプロセスを管理する「HP OpenView Service Desk 5.1」、IT資産のライフサイクルを管理する「HP OpenView AssetCenter 5.0」、IT環境の検出や識別、インベントリ管理などを行う「HP OpenView Enterprise Discovery 2.1」、ITの成果分析やシミュレーションを実行する「HP OpenView DecisionCenter 1.0」だ。AssetCenterとEnterprise Discoveryは、HPが2005年12月に買収したPeregrine Systemsの製品だ。
現時点でのActive CMDBは、ITILの構成管理に関係するアプリケーション間のデータを能動的に同期するが、将来的には、「WebサービスやSOAベースの標準技術で連携を実現し、より多くの他社製品と連携できるようになる。また、現在のようにIT環境を調査してCMDBとの差異を調整するというアプローチとは違い、IT環境全体に対し、一貫性のある統制された変更を自動的に行う“ITのポリシーを保管する場所”として利用できるようになる。さらに、CMDBにIT環境の実態を受動的に反映するのではなく、Active CMDBがCMDB内に定義された構成ポリシーをもとに、IT環境を能動的に変更できるようになる」と松木氏は説明する。この能動的な変更・構成機能を含む自動化は、2008年までに段階的に実現する予定だ。
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