日本IBMは11月5日、クラウドコンピューティング環境を構築するツールやサービスを組み合わせたソリューション「IBM CloudBurst V1.2」を発表した。11月30日より提供を開始する。
CloudBurstは、クラウド環境を構築するために必要なサーバやストレージ、ネットワーク、ソフトウェアをすべて組み合わせた製品に、導入サービスをパッケージして提供するソリューション。最初のバージョンV1.1は7月に出荷を開始した。日本IBM 理事 ソフトウェア事業 Tivoli事業部長の日野義久氏は、「クラウドを自動化するツールが搭載されており、すぐにクラウドが開始できる」としている。
CloudBurst V1.2では、クラウドコンピューティングのインフラを管理するソフトウェア「IBM Tivoli Service Automation Manager V7.2」が搭載される。同ソフトはCloudBurstで提供されるサーバ以外のIBMサーバにも対応しており、単体製品としても11月6日より出荷される。
また、CloudBurst V1.2には課金機能を備えた「IBM Tivoli Usage & Accounting Manager V7.1.2」と、使用した電力を監視する「IBM Tivoli Monitoring for Energy Management」も搭載されるほか、オプションとして侵入防御機能を持つ「Proventia」も提供される。
V1.1は主に開発やテスト環境向けだったが、V1.2ではこうした市場以外にも「自社のクラウドコンピューティングのエントリーとしての利用や、大規模データセンター、データセンター事業者もターゲット」と日野氏。7月の出荷開始以来、まだ全世界で数台のみ、日本では出荷の実績がないというが、日野氏は「V1.2がリリースされることを公表していたので、新バージョンを待っていた見込み客もいる」として、今後導入を促したいと述べた。
CloudBurst V1.2は、最小構成で約3000万円となる見込み。2009年末までは特別価格キャンペーンとしてエントリー構成を約1900万円にて提供する。これには管理ソフトのIBM Tivoli Service Automation Manager V7.2も含まれている。同ソフト単体の価格は、プロセッサコアあたり21万3300円(税抜き、1年間のバージョンアップおよび保守料金を含む)となっている。