ナノオプトニクス・エナジーは8月4日、インターネット関連の展示会「Interop Tokyo」などの運営権をCMPテクノロジージャパンから買収すると発表した。Interopの当初の理念であった、機器間の相互運用性のテストなどを強化するという。
ナノオプトニクス・エナジーはインターネット総合研究所代表取締役所長の藤原洋氏が代表を務める、ナノテクノロジーやエネルギー関連の研究開発企業。CMPテクノロジーのイベント事業などの営業資産、営業権、契約、従業員を、ナノオプトニクス・エナジーの子会社であるナノオプト・メディアが継承する。ただし、「ネット&モバイル通販ソリューションフェア」については、CMPテクノロジージャパンのグループ会社であるUBMジャパンが引き継ぐとのこと。買収金額は明らかにしていない。
これまで藤原氏はInterop Tokyoの実行委員を務めてきたが、「ブースが広くて、出展者が多くて、来場者が多ければ良い、というように商用化し過ぎている面があった」と語る。Interopは機器メーカーが発売前の製品を持ち寄って実際の相互運用性を確かめる場として生まれ、このことがインターネットの普及に大きく貢献したと藤原氏は考えており、「起業家としてリスクを取り、本来あるべき姿を取り戻す」(藤原氏)とした。
2010年より開催される新生Interop Tokyoは、これまでの通信分野に加えて、放送分野や自動車分野も対象とする。「(各社の機器が)本当に標準規格に合っているかを、ユーザーが困らないかという観点からきちんと確かめる場がInteropだった。ベンダーが違っても機器がつながり、各社の研究者が同じ目標を達成するために努力した結果、インターネットという基盤が生まれた。このモデルをほかの産業にも展開したい」(藤原氏)
Interop Tokyoの実行委員長には、慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏が就任する。「テレビにインターネット機能がつくようになっており、自動車も路側機や車同士で通信するようになってきている。これまで縦割りだった業界を、インターネットを使ってどうつないでいくかという新しい使命がある」と村井氏はInteropの新たな役割を強調した。
次回のInterop Tokyoは2010年6月9日から11日まで幕張メッセで開催される。これに先立ち、2009年8月31日、9月1日の2日間、東京都港区の建築会館においてセミナー「Interop Conference」を開催する予定だ。