携帯電話やネットワーク機器などに採用されている組み込みLinuxの市場で今週、Wind River SystemsとMontaVista Softwareとの争いが過熱した。
Wind Riverは米国時間23日、同社のユーザカンファレンスのなかで、開発ツール「Workbench」の新バージョンを発表した。同社はこのツールで、MontaVistaの縄張りに食い込みたい考えだ。開発者向けのツールは組み込みコンピューティング技術の重要な部分であり、WorkbenchはこれでMontaVistaのLinuxを設定し、それを機器に組み込む目的にも使えるようになった。
これに対し、MontaVista側も、Wind Riverの動きを黙って見過ごしてはいなかった。開発者に自社のプログラミングツール「DevRocket」を使わせたいと考えている同社は、Wind Riverのカンファレンス参加者に対してビラを配布し、MontaVistaがLinuxに注力しているのに比べ、Wind RiverはLinuxだけでなく、同社のプロプラエタリOS「VxWorks」も扱っているため、両方に注意が分散していると訴えた。
またこのビラには、Wind RiverでオープンソースOSのBSDを採用する計画が頓挫したことや、VxWorksとLinuxの間で優先順位付けが分かれていることに触れ、「最近、Linux市場に不慣れなベンダー自身が、Linuxについての理解のなさをあらわにしている」と書かれている。
両社が互いを攻撃するのは、今回が初めてではない。先ごろ行われたインタビューで、Wind River最高経営責任者(CEO)のKen Kleinは、MontaVistaのことを実験でひどい目に遭わされているハツカネズミにたとえ、「彼らは、不幸なハツカネズミであり、自社のビジネスモデルについて多くの誤りを犯している」と述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ