「Linuxユーザー、企業、Linuxコミュニティー全体にとって有害な影響が及んでいることを繰り返し憂慮しつつ」、Linux Foundationは米国時間6月23日、Linuxカーネル向けのオープンソースモジュールおよびオープンソースドライバの必要性を訴える活動を開始した。
オープンでないモジュールは、Linux開発モデルのオープン性、安定性、柔軟性、保全性のすべてを否定する存在であり、Linuxコミュニティーが有する専門知識から、ユーザーを遠ざけてしまうものである。
Jim Zemlin氏が率いるLinux Foundationは、Linuxカーネルの開発者を擁護する声明を出した。これまで何年もの間、この件に関してLinuxの開発者は質問攻撃を浴びせられてきたことが明らかにされているものの、こうした声明を、なぜLinux Foundationが今になって出すようになったのかは定かでない。Linuxの開発者が、この問題でうんざりしているのは明らかである。
ここまでの道のりは長かった。筆者は2002年に、Linux向けのオープンでないデバイスドライバの問題について指摘(PDFファイル)したことがある。オープンソースカーネルに、プロプライエタリなデバイスドライバを組み合わせる考え方は、当時から決して受け入れられないものでもあったが、これこそがLinuxに好んで関わる人を生む独特の要因ともなっていた。ハードウェアメーカーの中には、競争的優位性を保つため、デバイスドライバをオープンにすることはできないと強く主張しているところもある。
こうした状況ではあるものの、Linuxカーネルの開発者からの声明が、大きな変化をもたらすことはなさそうである。だが、少なくとも、影響力のあるコミュニティーの要望を広く知らせる役割は果たせそうだ。果たしてハードウェアメーカーは、これに耳を傾けるのであろうか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ