仮想化製品を手がけるVMwareは、企業のスマートフォンや携帯機器を仮想化する新しいプラットフォームが、2010年にもハンドセットに搭載されて登場すると明らかにした。
携帯電話は現在、企業にとってデスクトップコンピュータと同じくらい重要なものになっており、多くの場面で携帯コンピュータとしての働きをしている、とVMwareの最高技術責任者(CTO)Stephen Herrod氏は米国時間5月19日、技術カンファレンスInterop Las Vegas 2009で述べた。
このプロジェクトはまだ「初期段階」だとHerrod氏は話しているが、VMwareの研究者は、ユーザーが自分の携帯電話を別のハンドセットに移せるようにする携帯端末対応の仮想化プラットフォーム「VMware Mobile Virtualization Platform」に取り組んできている。
VMwareは現在ハンドセットメーカーと協議しており、2010年を目処に新しいハンドセットには同技術が含まれる予定だと、同社の製品マーケティング部門EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域ディレクタを務めるFredrik Sjostedt氏は語った。「この技術は立ち上がっているが、ハンドセットに組み込んで販売するまでにまだ手を加える必要がある」と、Sjostedt氏は20日、ZDNet UKの取材に答えている。
携帯電話の仮想化とは、電話機のユーザーデータがハンドセットからハンドセットへ移動可能なファイルになることを意味している。ユーザーが電話を紛失したり壊したりしても簡単にデータを復元できるようになり、企業のIT部門はサポートで頭を悩ませることが少なくなる、とSjostedt氏は語った。企業が1台のハンドセットに複数の仮想スマートフォンを稼動させる可能性も秘めている。
「電子メール、安全なウェブアクセス、企業アプリケーションを電話機に設定する作業は、ユーザーが自ら新しいハンドセットを購入してきた場合は特に面倒なことになる。今回の技術では、アプリケーションと電話機のOSの間に抽象的なレイヤが作られるので、NokiaでもMotorolaでも、ハンドセット上に同一のイメージを配備することが非常に簡単にできる」と、Sjostedt氏は言う。「企業は社員に対し、電話機を持ってきてくれれば、個人用の電話と会社用の電話が併存できるようにする、と伝えるだけでいい。ユーザーは企業のセキュリティやデータを危険に晒すことなく、各自のファイルや写真を楽しむことができる」
また、携帯の仮想化によってハンドセットメーカーは、新機能やアプリケーションを迅速に搭載できるようにもなる、とSjostedt氏は付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ