Androidも1秒台で起動--ユビキタスの組み込みシステム起動短縮システム

ZDNet Japan Staff

2009-11-10 11:24

 ユビキタスは11月10日、組み込みシステムの起動時間を短縮する製品「Ubiquitous QuickBoot」を発表した。

 QuickBootは、ユビキタスが独自開発した新技術を採用したソリューション。システムの起動に必要なメモリ領域を優先的にフラッシュメモリのような不揮発性ストレージからRAMに復元することで、他の方式より短い時間での起動が可能となる。ユビキタスが実測したところによると、Androidを使用した実装例では、電源投入から1秒台でアプリケーションが実行できる状態まで復元可能だったという。

 デジタル家電や携帯機器のOSとしてLinuxやAndroidを使用するケースが増加しているが、電源断からの起動時間が数十秒から1分前後かかることが機器メーカーにとって課題となっていた。起動時間を短縮する方法としては、動作時のRAMに展開されたシステムの状態を不揮発性ストレージに保存し、電源投入後、RAMに復元するハイバネーション方式と呼ばれる高速復帰の手法が解決策のひとつとして一部の機器で使われ始めているが、「ハイバネーション方式では、システムやアプリケーションが使用するメモリ空間が大きくなるほど、ストレージからRAMへ読みだして展開する時間が増大し、起動時間が遅くなるという欠点がある」とユビキタスは説明する。

 こうした課題に対し、ユビキタスの開発したQuickBootでは、「起動に必要なメモリ領域を優先的にRAMに読み出して復帰させるため、アプリケーション側で使用しているメモリ量に依存せず、1秒台での起動が可能」(同社)という。残りのメモリ領域は起動後に順次読み込むため、ユーザーの操作にほとんど影響を与えないとのことだ。

 また、LinuxやAndroidを採用する機器では、復帰までにかかる時間を短縮するため、ユーザーが電源断の操作をした時にCPUやDRAMを通電したままのスタンバイ状態にしているため、待機電力がかかっているが、QuickBootでは、電源が完全に切れている状態から1秒台で起動できるため、「家電製品の待機電力削減や携帯機器のバッテリー駆動時間の延長にもつながる」(同社)としている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]