Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏が、同社の「iPhone」でAdobe Systemsの「Flash Player」のサポートを拒む理由を説明したことを受けて、Adobeの最高技術責任者(CTO)は明るい口調で、AdobeはAppleがいなくても前に進んでいくと語った。
「Adobeがほかの多くのパートナーと協力しているように、AppleとAdobeが力を合わせることができれば、iPhoneや『iPad』『iPod touch』でも、Flashを使って素晴らしい体験を提供できると確信している。しかし、先週の投稿で述べたように、Appleが開発者に課している法的条件を考慮した結果、Flash Playerと『AIR』の両方について、注力する対象をApple製デバイスから別のものに移すという決定を下した」。AdobeのCTOであるKevin Lynch氏は米国時間4月29日遅く、同社のブログ記事で、このように述べている。
Lynch氏はiPhoneの競合デバイスに対するAdobeの取り組みも敢えて強調した。
「われわれは5月に開催されるGoogle I/Oで、「Android」搭載スマートフォン向け『Flash Player 10.1』をパブリックプレビューとして公開し、その後6月に一般向けにリリースすることを楽しみにしている」(Lynch氏)
Appleは4月29日、Adobeが同ブログ記事を投稿する前に、珍しくJobs氏からの公開書簡を公式サイトに掲載した。Jobs氏はその書簡の中で、Flashがプロプライエタリであること、バッテリを多く消費すること、マルチタッチインターフェースをサポートしていないこと、セキュリティリスクになる可能性があること、不安定なことを批判した。同氏は「『Mac』がクラッシュする一番の原因はFlashだ」としている。
Flash PlayerはPCの世界で広く普及しているプログラミング基盤で、オンラインゲームやフォトエディタ、動画ストリーミングなどのタスクに幅広く使用されている。また、次期バージョンの10.1で、AdobeはFlashをモバイルデバイスにも普及させることを改めて目指している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ