Microsoftは、「Windows Mobile」の後継として、企業向けにモバイル機器用の新しいプラットフォーム「Windows Embedded Handheld」を発表した。
Microsoftが米国時間6月17日に公開した動画メッセージで同社最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏は、Windows Embedded Handheldの最初のバージョンを今後6カ月以内にリリースする予定だと述べた。これは「Windows Mobile 6.5」ベースだが、2011年後半に予定されている次のバージョンは「『Windows 7』の技術」がベースになる、とBallmer氏は語っている。
MicrosoftのWindows Embeddedチームは「特殊なデバイスの分野にWindowsとクラウドコンピューティングの利点を拡張することに力を注いで」おり、Windows Embedded Handheldはこの戦略を形にするものだ、とBallmer氏は述べた。
「われわれはまた、企業が業務アプリケーションを『Microsoft Silverlight』および『Visual Studio 2010』をベースとする新しいアプリケーションプラットフォームに移行させるための明確な展望を提供することに取り組んでいる」と、Ballmer氏は言う。「これらのリリースは信頼できる管理とセキュリティ機能を提供する一方、サポートライフサイクルの延長により、ハンドヘルド機器および業務アプリケーションへの企業の投資が今後も保護されるという安心を顧客に与える」
Microsoftは2月に、Windows Mobileの最初の後継プラットフォーム「Windows Phone 7」を発表した。Windows Phone 7は消費者向けプラットフォームで、これまでとは違うSilverlightなどの技術を利用している。
このことから、従来のWindows Mobile用とWindows Phone 7用のアプリケーション間に互換性の欠如が生じている。Windows Phone 7は静電容量方式のタッチスクリーンを前提にしているが、Windows Mobileでは反応性が低くても精度の高い抵抗膜方式のタッチスクリーンをずっと利用してきたことが、さらに問題を複雑にしている。
Microsoftは17日に動画メッセージを発表するまで、企業のモバイル顧客に今後何を提供するつもりなのか全く説明していなかった。
Ballmer氏の動画メッセージは、Motorolaのエンタープライズ向け情報端末「ES400」の発売前イベントで報道関係者向けに公開された。ES400は「Windows Mobile 6.5.3」を搭載して発売される予定だが、Windows Embedded Handheldの最初のバージョンにアップグレードできる。ただし、その後のバージョンにもアップグレード可能かどうかは明らかになっていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。