Novellは米国時間1月10日、Linuxマシンを新種の攻撃から守るためのソフトウェアをリリースした。
このプログラム「AppArmor」は、強制アクセス制御(Mandatory Access Control:MAC)という発想に基づくセキュリティ製品の1つだ。強制アクセス制御とは、ソフトウェアなどに対するユーザーの権限を本当に必要なものだけに制限するアクセス制御方式のこと。
Novellの強力なライバルであるRed Hatは2005年に、Linux用の強制アクセス制御アーキテクチャを実装したSELinuxを、自社製品であるRed Hat Enterprise Linuxに組み込んでいる。
AppArmorは現在、Novellのホームページからダウンロードできるようになっている。また、同社によれば、同プログラムは19日にはopenSUSEに組み込まれるという。AppArmorは、Novellが2005年にLinux向けセキュリティ製品を扱うImmunixを買収した際に入手した技術に基づいて開発された。
システム管理者はAppArmorを使って、特定のアプリケーションがアクセスできるファイルを記述したセキュリティプロファイルを設定する。その結果、攻撃者は、プロファイルの適用されたアプリケーションを乗っ取ることに仮に成功したとしても、マシン全体を制御して悪質な行為に出ることが難しくなる。
NovellはAppArmorが「SELinuxよりもずっと使いやすい」と、同プロジェクトのウェブサイトで強調している。ポリシーの作成は自動化されているうえ、SUSE Linuxの管理ツール「YaST」を使った設定が可能だと、Novellはいう。また、AppArmorを使うことによるパフォーマンスペナルティは0〜2%で、SELinuxを使用した場合の7%に比べてはるかに低いと、同社は付け加える。
Novellによると、AppArmorはGNU General Public License(GPL)の下でリリースされるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ