UPDATE ユーザーのログイン情報を利用する「補助キー」として機能するオープンソースプロトコル「OAuth」にセキュリティホールが発見され、「Twitter」や「Yahoo」などのサービスがOAuthのサポートを一時的に取りやめざるを得なくなったことが、米CNET Newsの調べでわかった。
Twitterが実装されたばかりのOAuthのサポートを取りやめたことに、一部の開発者は当惑していた。ブロガーのJesse Stay氏は自身のブログ記事で、Twitterの開発者向けアプリケーションプログラムインターフェース(API)に課された他のさまざまな制約について取り上げた上で、OAuthのサポート中止は、マイクロブログサービスのTwitterが最近になっていかに「開発者の足をすくって」きたかを示す数多くの事例の1つだと述べている。
CNET Newsでは、インターネットの安全性を守る見地から、このセキュリティホールの詳細は明かさないことにしたが、簡単に言えば、このセキュリティホールは、ハッカーがソーシャルエンジニアリングの手法を使ってユーザーをだまし、そのユーザーのデータを公開させるというものだ。この脆弱性をなくすにはOAuthプロトコル自体を修正する必要があるが、OAuthの開発者チームに近い筋の話によると、この脆弱性を利用した攻撃が行われた形跡はないとのことだ。また、この脆弱性を開発チームが察知したのは数日前で、現在複数のベンダーと対応策について調整しているという。解決策はまもなく発表されるものとみられる。
この件は、Twitterにとっては特に大きな問題となっている。というのも、OAuthは、あるサービスのユーザーがパスワードを渡すことなく、当該サービスのAPIを利用しているサードパーティー製サービスを利用可能にするものだからだ。Twitterの場合は、「Twhirl」や「TweetDeck」などのクライアントから統計や分析用のアプリケーションに至るまで、外部の開発者によって作成された機能強化に大きく依存している。
TwitterのAPI責任者、Alex Payne氏は米国時間4月22日、「こう言っては何だが、OAuthはまだベータ版だ。現在抱えている問題についてはまもなく解決されるはずだ」と(当然ながら)Twitterのつぶやきで述べている。