フラクタリストは7月5日、インターネット対応の機器を連携させるための装置「NomadicNode」を発表した。NomadicNodeを使えば、PCはもちろん、家電や携帯電話、業務用機器などの端末を、インターネットを通じて連携できるようになる。
フラクタリスト代表取締役社長の田中祐介氏は、ブロードバンド人口の増加や家庭内LANの普及が進んでいるにもかかわらず、いまだにネット家電の普及率が低いことや、ネット家電を保有していてもネット接続をしていないユーザーが存在することを指摘した。田中氏は、「ネットワーク自体は整備されつつあるが、まだユーザーは”つなげると楽しくて便利だ”ということを実感できていない。それは、機器同士の接続には接続方法のノウハウやセキュリティの問題、端末管理などに課題があるためだ。こうした課題をトータルに解決するのがNomadicNodeだ」と述べた。
「機器同士がつながると便利だということを実感してほしい」とフラクタリストの田中社長 |
NomadicNodeの軸となる製品は、ルータと端末間を結ぶアダプタ機器「NomadicNode Module」と、機器同士の接続や管理、監視を行う「NomadicNode Server」だ。
NomadicNode Moduleは、ユーザーの端末同士がグローバルIPアドレスを持たずにインターネットを横断し、ユーザー独自のLAN環境を与えることで機器同士の相互接続が実現するものだ。同モジュールは、ルータと端末間のイーサネットケーブル部分に設置されるハードウェアとして提供されるケースと、端末に組み込まれるドライバソフトウェアとして提供されるケースがある。
一方のNomadicNode Serverは、NomadicNode Moduleなど、プラットフォーム上で動作する端末同士の接続管理を行うサーバだ。具体的には、NATやファイアウォールを越えて機器同士を連携させる通信制御機能や、接続認証機能を持っている。
NomadicNodeを用いたソリューションの応用例としては、ネットワークカメラの映像を外出先からインターネット越しに監視するソリューションや、デジタル家電などのコンテンツやデータに遠隔地からアクセスし、ストリーミング参照するソリューション、PCのリモート操作を実現するソリューションなどが考えられる。フラクタリストは、ハードウェアメーカーや通信事業者と共同でこうしたソリューションのトライアルを行い、1年後には商用化に向けた実サービスの提案に取り組むとしている。
田中氏は、まだこの市場は立ち上がったばかりだとしつつも、「(現在の引き合い状況などから判断して)まずは数億円単位の案件が立ち上がるだろう。導入するアプリケーションによって、それが5億となるか10億となるかはわからないが、今後この市場でトップとなることを目指したい」と豊富を述べた。