ボストン発--Open Source Initiative(OSI)はオープンソースの世界で大きな影響力を持つ非営利団体だが、そのOSIがソフトウェアに適用されるライセンスの増加を抑える方法を編み出そうとしている。
今週行われたLinuxWorldカンファレンスでは、この問題が最も大きな話題となった。オープンソースベンダー各社は、ライセンスの乱立によって、オープンソースの普及が妨げられる可能性があるとして、この問題に懸念を示している。ライセンスの数があまりにも多くなると、互換性の問題が生じ、今後の販売も難しくなるおそれがあるからだ。
オープンソースライセンスを認定するOSIは、昨年からこの問題について研究を続けている。この話し合いには、OSIやOpen Source Development Labs(OSDL)の理事会メンバーが参加している。
OSDL理事で、Computer Associates International(CA)のLinux戦略担当シニアバイスプレジデント、Sam GreenblattはCNET News.comに対し、同氏が現在50種類以上あるオープンソースライセンスを3種類に絞り込む提案の作成に積極的に取り組んでいると述べた。
「6〜8週間以内には何らかの動きがあるだろう」(Sam Greenblatt)
具体的な計画はまだ用意されていないが、OSIではオープンソースライセンスの数を業界全体の問題として考えている、とOSI会長のRussell Nelsonは述べている。同氏は今月このポストに就任したばかりだ。
さまざま製品間でライセンスの互換性がなければ、異なるオープンソースプロジェクト間でコードを共有できなくなる。ライセンスの数が多すぎると、法律関連の問題を詳しく審査し、複数のオープンソース契約を管理しなくてはならない法人顧客への販売が面倒なものになりかねない。
「顧客に対して、おそろしく説明しづらい。われわれ自身も、さまざまなライセンスの違いが自分たちビジネスマンに対して何を意味するのかで頭を抱えているくらいだ」とオープンソースデータベースベンダーSleepycat SoftwareのCEO、Michael Olsonは述べている。
オープンソースライセンスのなかには、Linuxに適用されているGeneral Public Licenses(GPL)や、Apacheウェブサーバを含むApache Software Foundationのソフトウェアに適用されるApache Software Licenseなど、広く普及しているものがいくつかある。
オープンソースライセンスの数は右肩上がりで増えてきている。現在、OSIに承認されているライセンスは50以上あり、なかには各種組織や企業固有のものもある。たとえば、Sunでは先頃、 Common Development and Distribution License (CDDL) というSolarisのオープンソース版向けライセンスを発表している。
CA自体も、CA Trusted Open Source Licenseという独自のライセンスをつくっている。これは同社がIngres r3をオープンソースプロジェクトにした際に考えられたものだ。しかし、CAは現在この判断を後悔していると、同社開発担当シニアバイスプレジデントのTony Gaughanは述べている。「もっとよく相談していれば、違ったやり方をしていたかもしれない」(Gaughan)。
Greenblattとともに、このライセンス数削減に取り組んでいるのは、Hewlett-PackardのLinux担当バイスプレジデントでOSDL理事のMartin Finkと、コロンビア大学ロースクール教授で、GPLを管理するFree Software Foundation法律顧問のEben Mogleだ。
OSDLの知的財産に関する小委員会で議長を務めるFinkは、LinuxWorldで15日に行った基調講演のなかで、ライセンス認定に関してOSIが果たした役割を批判した。同氏は、OSDLのCEOであるStuart Cohenに対し、OSIと共同でこの問題を解決するよう要請したという。
「OSIが自らの役割の重要性を自覚していないのは明らかだ。彼らには、オープンソースが依拠するライセンスについての基盤が、信頼に足るものであるよう確実を期す責任がある」(Fink)
「現状のライセンス認定プロセスでは、単に特定の仕様を順守しているかどうかが審査されるだけで、オープンソース業界のビジネスモデルをさらに革新する力がそのライセンスにあるかどうかは見過ごされている。これは、オープンソースを機能させている核心の部分に対して、はっきりと直接的に危険を及ぼすものと私には思える。OSIがいまのやり方を続けるなら、彼らは的外れな方向へ進んでしまうだろう」(Fink)
これに対し、OSIのNelsonはこの問題をまだ検討している段階だと述べている。OSIには、オープンソースライセンスの認定に関し、現状よりも厳格な基準を設けて、独自ライセンス策定の動きに歯止めをかけることもできる。また、各組織が互換性のないライセンスを選び続けた場合、たとえライセンス数を削減しても、コード共有の問題が解決されるとは限らない。
「われわれが、Sunに対して『(CDDLという)独自のライセンスがオープンソースとして認定されるわけがない』と言っていれば、SunではおそらくMozilla Public License(MPL)を選んでいただろう」とNelsonは述べた。なお、MPLはMozillaのつくるブラウザーなどのソフトウェアで利用されているライセンスで、SunのCDDLはこのMPLの内容をわずかに修正したものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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