Open Source Initiative(OSI)の会長に先ごろ就任したRuss Nelsonが米国時間2日、一部から問題視されていたオープンソースライセンス急増に対処するための提案を行った。
OSIは、各ライセンスに正式なオープンソースのステータスを認めるにあたり、10項目からなる定義を満たすよう求めている。同組織の共同設立者であるEric Raymondの後任として2月にOSIのトップに就任したNelsonは、この定義に3つの要件を追加することを提案した。
Nelsonは、オープンソースのメーリングリストに投稿したメッセージのなかで、ライセンスは既存のものと重複してはならない、明確に書かれた簡素で理解できるものでなくてはならない、特定の個人やプロジェクトあるいは組織を付随する添付ファイルに移動させることで再利用可能となるものでなくてはならない、という3項目を満たすことが新たに求められると述べた。
現在50種類以上が存在するオープンソースライセンスは、削減に向けた具体策が求められていた。オープンソースライセンスは、Linux OSのコア部分、Firefoxウェブブラウザ、Apacheサーバソフトウェア、そしてSun MicrosystemsのSolaris向けのものをはじめ、数千件のプロジェクトに適用されている。
オープンソースにより、プログラムのソースコードをだれでも共有/修正/再配布できるようにする協調プログラミングのメカニズムが大幅に進化した。だが、ライセンスの急増により、オープンソース活動に事務的な問題が発生している。
OSIによる今回の動きに対して、主要なオープンソース擁護者の1人であるBruce Perensは条件付きでこれを支持すると述べた。「Open Source Definition」という著書もある同氏は、OSIの共同設立者の1人だが、1999年に同グループを離れている。
「OSIが採用する項目としては良いと思う。しかし、これらはオープンソースライセンスの定義というよりも、OSIの認定ガイドラインといった部類に属するものだと思う」(Perens)
知的財産を専門にする弁護士のLarry Rosen、Hewlett-Packard(HP)のMartin Fink、Computer AssociatesのSam Greenblattなど、ライセンス数削減に取り組んでいる人々の主張によると、ライセンスの数が多ければ、互換性のない孤立したオープンソースコードが氾濫するという。そうなれば、プログラマーは作業の成果を互いに共有できなくなってしまう。また、参加を考えている側にすれば、新しいライセンスの理解に要する時間が余計にかかってしまうことになる。
しかし、Nelsonが2日に明らかにした提案には、早くも一部から批判が上がっている。サンノゼ州立大学が進めるSilicon Valley Open Source Research ProjectのJoel Westは、ライセンスの重複を認めないというのは「管理上の細かい問題であって、オープンソースムーブメントの原則ではない」と述べている。
「モーゼが十戒に『期限内に納税申告すべし』と付け足すようなものだ」(West)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。