OpenDocumentが米国時間5月2日夜、国際標準化団体によりファイルフォーマットの標準規格として批准された。これにより、同オープンソースファイルフォーマット技術の世界的な採用への準備が整ったことになる。
国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)は、31票中反対票なしで同ファイルフォーマットの標準を批准した。再検討の意見を提出したのは7つの組織だけだったことから、注目されてきたOpenDocument規格は早い時期に公布される見通しだ。
「ISO/IECによるOpenDocument Format(ODF)の採用が確実になった今、ISO/IECによる世界的な採用が望ましい、もしくは必須である欧州などの政府購買機関にとって、同標準を実装しているソフトウェアはますます魅力的なものとなるだろう」と法律事務所Gesmer Updegroveの弁護士Andrew Updegrove氏が自身のブログで述べた。
「OpenOffice 2.0」、Sun Microsystemsの「StarOffice 8」、IBMの「Workplace」などをはじめとする多数の生産性アプリケーションがOpenDocumentファイルフォーマットをサポートしている。しかし、MicrosoftはOpenDocumentをサポートしておらず、独自の「Office Open XML」ファイルフォーマットをISOの標準規格にしようと取り組んできた。
Microsoftは投票決定委員会の一員であり、同委員会は今後ISO/IECのOpenDocumentに関する意見を精査する機会をもつ予定だが、Sun Microsystemsなどの競合各社はMicrosoftが新たに批准された標準規格の公布に影響を与える可能性はないと見ている。
「Microsoftが標準化過程に干渉するのは難しいだろう。このファイルフォーマットは標準規格として強力な承認を得ている」と、Sunの最高オープンソース責任者Simon Phipps氏は反対票がなかったことについて述べた。
Microsoftは、OpenDocumentファイルフォーマットとの相互運用性をサポートする予定であり、同フォーマットの標準化や企業への導入について反対しないことを明言した。
しかし、Microsoftの標準化担当責任者Jason Matusow氏は声明文の中で「ODFフォーマットはOpenOfficeやStarOfficeの機能やパフォーマンスに限定されており、当社のMicrosoft Officeユーザーの多くを満足させるものではない」と苦言を呈している。
米国のISO機関である米国規格協会(ANSI)の関係者は、同規格の公布が迅速に進む見通しであると述べた。また、同広報担当者は、過去の似たような状況で、標準規格が公布されるまで数週間から数カ月を要したと付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ