Linux OSを提供するLinspireは、有償サービスとして提供してきたソフトウェアダウンロードライブラリ「Click 'N' Run(CNR)」を無料にした。これまで同サービスでは年額20ドル〜50ドルを課金していたが、これを無料とすることで自社製品の人気を高める狙いだ。
「CNRを利用すると、デスクトップLinuxはさらに容易になる。われわれは全ユーザーにこの高品質サービスを利用してもらいたいと思っている」とLispireのCEO(最高経営責任者)、Kevin Carmony氏は声明文で述べている。LinspireはDVD再生ソフトウェア、MicrosoftのWindowsや、OpenOffice.orgの商用版であるSun Microsystemsの「StarOffice」を動かすことができるCodeWeaversの「CrossoverOffice」といったプレミアム製品により十分な収益を上げていることから、CNR無償化の動きは、財務的に見ても可能という。
CNRは60ドルの有償版「Linspire」と無償版の「Freespire Linux」の重要な特徴となる。Linspireは、自社のアプローチにより新しいソフトウェアを容易にインストールできると強調している。
Linuxは現在、主としてサーバOSとして使われることが多い。この分野では、管理者の技術指向が強く、Linuxと関連の深いUNIX環境が確立され、Microsoftは強い競争に直面している。最大手LinuxディストリビューターのRed Hatはサーバ分野で地位を確立し、ナンバー2のNovellもここでのシェア獲得に必死だ。だがLinspireをはじめ、Xandros、Mandriva、Canonical、Novellらはデスクトップコンピュータ分野でもLinux事業を確立しようとしている。
これまでのところ、Linspireは黒字転換を果たしていない。だが同社の営業およびマーケティング担当バイスプレジデントのLarry Kettler氏は、「非常に近い」ところにいると述べる。「2005年は年間約1000万ドルの赤字だった。だが現在は損益ゼロのところにある」(Kettler氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ