Apache Harmony、インキュベータ段階を卒業--トップレベルプロジェクトに

文:Martin LaMonica(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2006-11-15 17:32

 オープンソース版Javaプロジェクトの「Apache Harmony」が、インキュベーション段階を脱し、正式なApacheプロジェクトとなった。

 2005年にスタートしたApache Harmonyは、デスクトップシステムを対象とした Javaプラットフォームである「Java Platform Standard Edition(Java SE)」のオープンソースによる実装を目指すプロジェクトだ。

 Harmony Project Management Committeeの委員長Geir Magnusson氏は11月14日、約2週間前に行われたApache Software Foundation理事会の投票で、Harmonyをインキュベータからトップレベルプロジェクトへと昇格させることを決定したと述べた。

 11月13日にはSun Microsystemsが、GNU General Public License(GPL)バージョン2の下でJava SEなどのコードを公開することを明らかにしている。

 Magnusson氏は自身のブログで、SunのJavaオープンソース化計画と並行してHarmonyを続けていくと書いている。

 Magnusson氏はブログで「ApacheとSunが持つコミュニティは異なり、ライセンス、貢献の条件、管理モデルも異なる」と述べ、「(SunがJavaをオープンソースにしたことは)われわれの取り組みに変更を与えるものではない。ユーザーや貢献者にとってオープンソース版Javaの選択肢が増えることを意味するだけであり、これは好ましいことだ」としている。

 Apacheによると、インキュベータからトップレベルに昇格させるというApacheの決定は、Harmonyが十分なコミッターを集めていることが認められたことであり、これは長期的な安定を示唆するものだという。

 2年前にSunにJavaをオープンソースとして公開するよう促したIBMは11月13日、Sunの動きに失望したという内容の声明を発表している。

 IBMは声明で、Sunは、新たにオープンソースのJavaプロジェクトを立ち上げるよりも、HarmonyなどのすでにあるApacheプロジェクトにソースコードを貢献するべきだった、と述べている。IBMは、Harmony参加企業の1社でもある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  2. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  5. クラウドコンピューティング

    生成 AI リスクにも対応、調査から考察する Web ブラウザを主体としたゼロトラストセキュリティ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]