2004年3月にSun Microsystemsに移籍したTim Bray氏は、現在はウェブテクノロジ担当ディレクターとして「3つの仕事」に従事している。Bray氏といえばXMLの父としてあまりにも有名だ。カナダのGIS(地理情報システム)ベンダーであるAntarctica Systemsの創設者兼CTO(最高技術責任者)として来日したときにもお会いしたが、今回JavaOne会場でSunでの仕事について聞くことができた。
Bray氏が取り組んでいる「3つの仕事」とは、次のとおり。
- 新しいウェブ技術である「Atom」の推進
- JavaVMによるJava以外の言語のサポート
- パラレルプログラミングの簡素化
まず最初のAtomとは、ウェブ上のコンテンツを配信するためのXMLフォーマットを標準仕様とし体系化したもの。RSSに似た仕組みだが、すでにIETFが2005年12月に「RFC4287」として仕様を公開しており、現在ではGoogleやYahooなどの各種サービスで採用されている。Bray氏は、「約5年ほど前に登場したRSSは大きな成功を果たした。しかし、より簡単にコンテンツを配信できる仕組みが必要だと考えた」と話す。
「HTTPベースでREST(REpresentational State Transfer)に準拠したAtomは、ウェブコンテンツの作成、配信、修正、削除などのコンテンツ配信を簡単に実現できる。デジカメや携帯など、あらゆるデバイスに実装することができ、ボタンひとつでコンテンツを配信することが可能になる」(Bray氏)
次にJava VMにおける非Java言語のサポートは、PHPやRuby、Ruby On Rails、Pythonなどの言語で書かれたアプリケーションをJava VM上で稼働させることを目的としたプロジェクト。「Java以外にも人気の高い開発言語はたくさんある。こうした開発者も受け入れていくのがSunの目指す方向性だ」とBray氏は言う。
「たとえば、PHPは非常にポピュラーな開発言語だ。しかし、セキュリティの面やメンテナンス性において課題がある。そのためPHPで基幹システムを構築することはオススメできない。そこでJavaテクノロジにより、各言語の課題を補完できる仕組みを提供していくことが重要になる」(Bray氏)
そして3つ目の取り組みであるパラレルプログラミングの簡素化では、マルチコアに最適化されたプログラムを容易に開発するための仕組みを実現する。Bray氏は、「プロセッサは、ムーアの法則に従い年々、高速化を実現している。これにより今年遅かったプログラムが来年速くなることはあっても、こうした対応は本質ではない」と話す。
「簡単なことではないが、並列化するプロセッサに最適化されたプログラミング手法を提供することが重要になる。たとえば、Google MapReduceを実現しているオープンソースの分散フレームワークである“Hadoop”やEricsonが開発した並列処理のための言語である“Erlan”などのテクノロジには非常に注目している」(Bray氏)
今後、この3つの仕事を「いかにJavaに統合していくか」がBray氏にとって最大の関心事であり、そのための取り組みのいくつかが、明日2007年5月8日から11日までの4日間、カリフォルニア州サンフランシスコで開催される「2007 JavaOne Conference」でも明らかにされる予定という。
明るいカナディアンのTim Bray氏。以前は、「自宅にはテレビはなく、ヒマになると家族そろってキャンプに出かける」と話していた。
関連情報
-
検索プラットフォームは企業システムでミドルウェアとしての地位を獲得する
ビジネスに必要な情報を、あらゆる情報ソースから効率的に探し出し、活用するシステムとして注目が集まるエンタープライズサーチプラットフォーム。ウチダスペクトラム主催の「エンタープライズサーチカンファレンス」で、その最新動向が紹介された。 - サーバインストール型RSSリーダー「FreshReader」登場--イントラでの情報共有を強化
- エンドユーザープログラミングに取り組むIBM--「QEDwiki」を開発へ
- 「フェデックスがやらないなら・・・」--ブログラインズによるRSSの新しい使い道
- XML第一人者がサンに参加 [From CNET Japan]
- XMLの真価を問う [From CNET Japan]
- Blog戦争:RSSはどこへ行く? [From CNET Japan]
- サン幹部:「OpenDocumentは世界を一変させる」 [From CNET Japan]
- Sun Microsystems
- サン・マイクロシステムズ
「ソフトウェア」 のバックナンバー
-
SCS、IFRS対応支援ソリューション--ERPパッケージの行程表も公表
住商情報システム(SCS)は、企業の国際会計基準(IFRS)対応を会計業務とITの両面から支援する「IFRS適用支援ソリューション」の提供を開始した。 -
ISID、独トンベラーの金融機関向けマネーロンダリング対策製品を提供開始
-
スケジュール共有だけじゃない--サイボウズの統合ソリューション戦略
-
ドリーム・アーツ、EIP型グループウェアの新版を発表--モバイル対応を強化
-
日立電サ、ウェブ就業管理システム「Hi-CoreTime」機能強化--改正労基法に対応
- ソフトウェア 一覧へ »
企画特集

-
身近な業務をCRMが変革!
実は、埋もれた情報が鍵だった -
ニューノーマル時代、製造業に迫られる変革
自社の強みを生かして変革を推進するために必要なこと -
直感的な操作の情報セキュリティソフト
知らぬ間に発生しているムダと危険の目を摘み取ろう -
御社はまだフリーの転送サービスですか?
大容量ファイルの受け渡しに「ルール」と「安心」を -
識者の考える利用シナリオを展開中!
Windows7とWindows Server 2008 R2で何を実現する? -
リスクと投資のバランスをどう最適化するか
成功企業に学ぶセキュリティ対策のベストバランス -
景気回復を見据えた戦略的コスト削減を解説
オープンソースで実現する競合優位獲得のためのIT投資 -
IT投資のポイント「情報統合」
日立のサポート体制&生産性で選ばれるDataStage -
中堅・中小企業の仮想化 悩むご担当者へ
驚きの検証結果!仮想化でシステム投資コスト激減 -
ネットノートで体験するセキュリティソフト
快適になったその実力をユーザーレビューでひも解く! -
復旧時間目標通りに異機種間をバックアップ
仮想環境にも対応し、ストレージ容量を最大90%削減 -
課題解決はデータの可視化から
日々の情報の中から新たな見識を発見するためのツール -
会議の効率化は、事業活動を加速する
国内2,700社を超える企業に選ばれた、WEB会議システム
新着企業動向
-
「中国ZTE・ファーウェイ(Huawei)における勢力増大の要因とそれに対する考察」無料レポート...
ROA Group -
因数分解からヒントを探す営業力強化のポイント
アシスト -
【EMCジャパン Tech Communityサイト】EMCの仮想化戦略
EMCジャパン -
メールセキュリティSaaS『Mail Luck!セキュアタイプゲートウェイ』
NTTPCコミュニケーションズ(ネットワーク事業部) - 企業動向一覧へ»