検索プラットフォームは企業システムでミドルウェアとしての地位を獲得する

柴田克己(編集部) 2006年02月23日 23時35分

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 ビジネスに必要な情報を、あらゆる情報ソースから効率的に探し出し、活用するためのシステムとして、エンタープライズサーチプラットフォーム(企業内統合検索基盤:ESP)に注目が集まっている。

 2月22日、都内のホテルでESPの最新動向を紹介する「エンタープライズサーチカンファレンス」が開催された。主催のウチダスペクトラムは「SMART/InSight」と呼ばれるエンタープライズサーチソリューションを提供している。SMART/InSightは、ノルウェーの企業であるファストサーチ&トランスファの開発するESP「FAST Data Search」をコアとし、独自のユーザーインターフェース、管理機能、Webサービス機能などの一式をソリューションとして提供するものだ。

ウチダスペクトラムの長尾唱氏

 ウチダスペクトラム、SMART/InSight事業推進グループ執行役員の長尾唱氏は、「エンタープライズサーチ“SMART/InSight”の適用分野とその導入に向けて」と題したセッションで、日々生産され、蓄積されるデータが爆発的に増加することによって、ナレッジワーカーがビジネスに必要となる情報を見つけ出すためのコストをも増加させている点を指摘した。オフィスワークで扱われる情報は、その存在する場所と属性の組み合わせによって、4種類に分けられる。「場所」は、その情報が「社内」に存在するか、「社外」に存在するかという点。「属性」としてはRDBなどで扱える「構造化された情報」か、メールやオフィス文書のように「構造化されていない情報」かという点だ。これらを扱うにあたり、個別のソリューションを使い分けなければならないのが、現在のツールが抱える問題点だという。この問題の解決策として、あらゆるソースからの情報を、統合された環境で検索可能にする「ESPソリューション」が有効であるとした。

 同カンファレンスでは、ムーディーズジャパンにおけるESPの導入事例も紹介された。同社では、SMART/InSightとStellent Contents Managementとの組み合わせで、ウェブによるクライアント向けの情報提供サービスをリニューアルしている。リニューアルによって、利用者が必要なデータや文書へ到達するためのクリック数が削減されたほか、関連情報の発見も以前よりも容易になり、顧客満足度の向上を実現したという。また、3カ月という短期間で開発が完了できた点や、プラットフォーム自体のスケーラビリティの高さなどから、ビジネス面でのメリットもあったとした。

融合が進むインターネットとエンタープライズ

 カンファレンス後半では、「エンタープライズサーチ最新動向」として、インターネットビジネスコンサルタントの渡辺聡氏によるセッションが行われた。

インターネットビジネスコンサルタントの渡辺聡氏

 渡辺氏によれば、この10年におけるインターネットの発展と普及が、ユーザーにおけるインターネットへの「慣れ」を生んでおり、そのことがインターネットとエンタープライズシステムとの融合を後押ししているという。イントラネットを起源に、ブログやSNS、Wikiといったインターネット発祥の技術やサービスが社内システムで積極的に利用され初めていることなどが、それを示している。

 エンタープライズサーチの簡易な定義は、「検索技術を利用して、社内の情報探索および情報共有の効率向上、全体業務の向上を図るための情報管理ツール」であるという。あらゆるタイプのデータをクローラーでインデックス化し、必要に応じて検索するというアプローチは、スケーラビリティとレスポンスの両面に優れ、エンジンのカスタマイズによって業務に合わせた形での情報検索を可能にすることで、組織能力を引き出し、企業競争力を高めることが可能になるとする。

 一方、一般的なウェブサーチと異なるエンタープライズサーチ固有の問題も存在するとした。具体的には、HTMLファイルだけでなく、文書ファイル、RDB、業務アプリケーションなどの形で混在するデータに対して、いかにクロールを行ってインデックスを作成するか。さらに、それらにどのような形で適当なアクセス権を設定するかといった点だ。サーチプラットフォームは、周辺アプリケーションとの連動によって、データアクセスに関する統括管理を支援する役割を持たせることにより、「企業システムにおけるミドルウェア的なポジションを獲得するかもしれない」(渡辺氏)との見方を示した。

 そのほか、流行のキーワードである「Web 2.0」を志向したサービスの例として、サイボウズの運営する「Feedpath」を紹介するセッションも行われた。Feedpathは、RSSやAtomによるフィードの蓄積と、フォークソノミー(ユーザーによるタグ付け)を利用し、ウェブ上の情報をよりスマートに検索することを目指して開発が行われているサービスだ。サイボウズのFeedpathエバンジェリストである小川浩氏は、「ユーザー数とデータ数の増加により、ウェブはデータベースとして進化している」とし、ウェブにおける情報配信技術の進歩に合わせ、検索プラットフォームの重要性も増大している点を強調した。

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