日本IBMは7月31日、Lotusブランドによるコラボレーションソフトウェアの新バージョンである「IBM Lotus Notes/Lotus Domino 8」(Notes/Domino 8)を発表した。同日より、東京で開催されているプライベートイベント「Lotus Day 2007」の会場で会見が行われ、Lotus Software General ManagerであるMike Rhodin氏により、日本語版は9月11日より提供開始されることが発表された。なお、メディア版の提供は10月10日より開始される。
Lotus Software General ManagerのMike Rhodin氏。
Notes/Domino 8は、これまで“Hannover”のコードネームで呼ばれていた製品。オープンソースのソフトウェア開発環境「Eclipse」を基盤として構築されており、Notes/Dominoの従来の開発生産性を受け継ぎつつ、他のJavaアプリケーションやウェブアプリケーションとの通信や連携が容易になっている点が最大の特徴。
IBMでは、この連携機能により開発されるアプリケーションを“コンポジットアプリケーション”と呼ぶ。Notes環境上でのいわば、「マッシュアップ」を実現するものだ。発表会では、従来のNotesアプリケーションである「企業情報DB」を、ネット上の株価情報や地図情報と連携させ、Notesクライアント上に表示させるというデモンストレーションも行われた。
Lotus Notes/Domino 8によるコンポジットアプリケーションのデモ。Notesデータベースの情報とJava、ウェブアプリケーションの連携が容易に行える。
また、ユーザビリティの向上もNotes/Domino 8の特徴のひとつという。製品の開発にあたり、ブログを利用した開発者間の情報共有が行われたほか、「ペルソナ手法」と呼ばれる、仮想的なユーザーを詳細にデザインした上で、そのユーザーが使うことを想定した製品開発を進める手法がとられたという。カレンダーやRSSフィードといったアプリケーションを、Notesクライアント画面の右側に複数同時に配置して一覧できるほか、過去にアクセスした文書へのリンクが時系列で一覧表示されるなどといった形で、その成果が新たなユーザーインターフェースとして反映されている。
そのほか、OpenDocument Format(ODF)に対応したワープロ、表計算といったアプリケーションが標準搭載されており、Notes 8のみでのオフィス文書の作成、編集が可能になっている点も新バージョンの特徴として挙げられた。
日本IBM、ロータス事業部事業部長の澤田千尋氏。
Lotus Notes/Domino 8では、過去のバージョンにおけるNotesの資産もほとんど手を加えることなく継承が可能であるという。日本IBM、ロータス事業部事業部長の澤田千尋氏は「当然のことだが」と前置きをしつつ、あえて“資産継承”を新バージョンの「特徴」のひとつして挙げた理由を、「世の中のソフトウェアにおいて、これを考えていないものが多すぎるため」とした。
日本IBMでは、Notes/Dominoの新たなパートナー支援策として「Notes/Domino 8 Readyプログラム」を展開する。これは、Notes/Domino 8対応のパッケージアプリケーションやソリューションを構築するパートナーと、日本IBMソフトウェア事業の担当者が共同でマーケティングプランを作成、実施する無償のプログラムだ。特に、Javaプラグインやアプリケーション連携などの開発を表明したパートナーについては「Notes /Domino 8 Ready コンポジットアプリケーションパートナー」に認定され、上記のプログラムに加え、IBM大和ソフトウェア開発研究所の技術者から開発支援を受けられる。
Notes/Domino 8のライセンス価格は、サーバライセンスである「IBM Lotus Domino Enterprise Value Unit」が1VU(機種別サーバ単位課金)あたり3825円。クライアントライセンスである「Notes with Collaboration License」が1ユーザーあたり2万600円。ウェブクライアントライセンスである「Domino Web Access Collaboration User」が1ユーザーあたり1万6100円。
エンタープライズ2.0を標ぼうする2製品
なお、日本IBMは同日、「IBM Lotus Connections」および「IBM Lotus Quickr」の2製品についても合わせて発表している。いずれも、2007年1月に開催されたLotusのユーザーカンファレンス「Lotusphere」で発表された新製品であり、いわゆる「Web 2.0」的なコラボレーション環境を企業規模で展開可能とするものだ。
Lotus Connectionsは、「プロフィール」「コミュニティ」「ブログ」「ドッグイヤ(共有ブックマーク)」「アクティビティー」の5つのコンポーネントを持つ、コミュニケーションツールで、いわば「企業SNS」的な環境を実現できるもの。Lotus Quickrは、「チームブログ」や「Wiki」などをユーザーインタフェースとするドキュメントマネジメントツールだ。
Lotus Connections日本語版は8月31日に提供が開始される予定。価格は、社内ユーザー向けが1ユーザーあたり7900円から1万5800円(税別)。社外ユーザー向けが643万5000円(VU単位)。
Lotus Quickr日本語版は8月22日に提供開始される予定。社内ユーザー向けが、1ユーザーあたり1万100円。社外ユーザー向けが429万円(VU単位、税別)。
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