企業システムと連携--インフォテリア、オンライン表計算を10月からSaaS形式で

田中好伸(編集部) 2007年07月25日 23時55分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 インフォテリアは7月25日、企業向けにブラウザだけで利用できるオンライン表計算ソフト「OnSheet」を10月から販売開始することを発表した。これにあわせて同日からベータ版を一般公開を開始した。

 OnSheetは、香港のTeam and Concept(TnC)が開発・提供するオンライン表計算ソフト「EditGrid」と、インフォテリアの「ASTERIA」などのデータ連携技術を融合させたもので、SaaS(Software as a Service)形式で提供される。ユーザーは、Excelなどの従来の表計算ソフトのように、自分のPCにソフトをインストールせずに、ユーザー登録をするだけで利用できる。

平野氏 「OnSheetはEnterprise 1.0から2.0への流れに沿ったもの」と説明する平野洋一郎氏

 表計算を含むウェブベースのオンラインオフィスソフトといえば米Googleの「Google Docs & Spreadsheets」やマイクロソフトの「Microsoft Office Live」が有名だが、OnSheetも、そうした表計算ソフトサービスの基本的な機能である計算やグラフ機能を搭載し、それらのデータを複数のユーザーで共有できるようになっている。

 しかしOnSheetには、財務管理システムや顧客管理システムなど企業内の既存の情報システムが取り扱う各種データと連携して、表計算のデータとして加工・分析できるという特徴がある。

 これは、OnSheetのバックエンドでインフォテリアのデータ連携ソフト「ASTERIA WARP」の「パイプライン」機能を活用したものだ。パイプラインを利用することで、企業内の情報システムにあるデータベース(DB)に格納されたデータをワークシートに呼び出したり、またワークシートのデータをDBに格納することができるのである。

Lee氏 TnC会長のDavid Lee氏

 インフォテリアでは、データ連携ソフト「ASTERIA」(WARPを含む)シリーズを大企業を中心に360社に導入してきているが、その半数の企業が、Excelでデータを扱うための「Excelアダプタ」を導入しているという。このことから「企業の情報システムのデータを自分のPCで加工・分析したいというニーズに対応するために、OnSheetでは、既存の情報システムとのデータ連携を重視した」(インフォテリア社長兼CEOの平野洋一郎氏)。

 「OnSheetは、ASTERIA WARPと、徹底的に日本語けにローカライズしたEditGridを組み合わせたものであり、情報システムのユーザーインターフェース、フロントエンドツールとして表計算ソフトを利用できる」(平野氏)

 そうしたOnSheetでは、パイプラインで対応するDBは、Oracle、DB2、SQL Server、MySQL、PostgreSQLとなっている。対応するプロトコルはHTTP、SOAP、REST、FTP、POP、SMTPであり、FTPソフト、メールでのデータ連携が可能となっている。対応するデータ形式は、XML、CSV、固定長テキスト、Excelファイル、RSS、Atom。

 またOnSheetではローカルのPCで作成された表計算ソフトのファイルとの互換性が重視されている。インポートできるファイル形式は、Excel(.xls)に加えて、CSV(.csv)、OpenDocument 1.0(.ods)、OpenOffice.org Calc 1.x(.sxc)、Gnumeric(.gnumeric)、Lotus 1-2-3(. 123)となっている。エクスポートできるファイル形式は、Excel(.xls)のほか、CSV(.csv)、HTML(.html)、PDF(.pdf)、OnSheet XML(.xml)、OpenDocument 1.0(.ods)、OpenOffice.org Calc 1.x(.sxc)、Gnumeric(.gnumeric)、TeX Source(.tex)などだ。

 OnSheetは10月から正式に提供され、「具体的な金額はまだ発表できないが、月額課金という価格体系で提供される」(平野氏)としている。なお、個人ユーザーであれば、ユーザー登録をすれば無料で利用できる(パイプライン機能は利用できない)。

 平野氏は、「Enterprise 1.0から2.0へという流れに沿ったものだ。重要なのは情報をリアルタイムに共有できるという点にある」とOnSheetがもたらすメリットを説明している。

 インフォテリアでは、OnSheetの開発にあたって、EditGridの開発元であるTnCに対して、株式数の5%出資することも発表している。これは、「中長期的にOnSheetの開発を含めて、一緒にやっていきたいということから、話し合える環境を作っていきたい」(平野氏)という思いから、出資を決めたとしている。

 TnCでは2006年1月からEditGridの開発を開始し、2006年4月にパブリックベータ版を公開している。これは「Google Docs & Spreadsheetsよりも2カ月早かった」(TnC会長のDavid Lee氏)という。そのEditGridについて、Salesforce.com会長のMarc Benioff氏は「私が見てきたなかで最高のオンライン表計算ソフト」と絶賛しているという。

スクリーンショット ブラウザで操作できる「OnSheet」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
ビジネスアプリケーション

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つ
    プレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

  • 【3/31まで早期割引受付中!】「IBM Watson Summit 2017」開催

    日本IBMが主催する最大の国内総合イベント。テクノロジー・リーダーの疑問を紐解く「企業IT、セキュリティー、モバイル、データ解析などの進化を探る」詳細はこちらから!

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化