インフォテリアは10月11日、同社の提供するシステム・データ連携ソリューション「ASTERIA」の新バージョン「ASTERIA WARP」を発表した。
ASTERIAは、マルチプロトコル、マルチフォーマットのデータ変換を行い、異なるシステム間、データフォーマット間での相互接続をノンコーディングで実現する、一連の製品群から成るソリューション。ASTERIA WARPは、バージョン4に相当し、約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。
同社代表取締役社長の平野洋一郎氏は、2006年9月末の段階でASTERIAの導入企業が300社に達し、同じく9月に発表された調査会社のレポートでは、マイクロソフトのBizTalkを抜き、国内のEAI(Enterprise Application Integration)市場で、第1位のシェアを獲得したことを報告。ASTERIAによるシステム連携が、ユーザーやパートナーから高い支持を受けていることを強調した。
2007年1月の出荷が予定されている、新バージョンの「ASTERIA WARP」では、データ連携の新たなコンセプトとして「Enterprise Service Pipeline」(ESP)を提唱するという。
「ESPは、SOAの世界で言うEnterprise Service Bus(ESB)の進化形。社内だけでなく、社外までのシステム連携を容易に展開できるネット型のESBがESPだと考えてほしい」(平野氏)
WARPでは、従来の「Flow Service」に加えて、新たに「Pipeline Service」がランタイムサーバに追加される。Pipelineの開発環境とステータスモニタの機能を合わせ持つ「Pipeline Coordinator」はウェブブラウザ上で動作し、「センサー」「フィルタ」「ジョイント」と呼ばれる3つのステージで「アクション」と呼ばれるパーツを選択することで、コーディングを行わずにデータ連携を実現できる。従来からのFlow Serviceとの連携もでき、より複雑なデータ変換などが必要な場合は、Flow Serviceと、そのGUI開発環境であるFlow Designerとを組み合わせて対応することが可能という。
また、ASTERIA WARPでは、より幅の広いユーザーニーズに対応するため、製品ラインが「ARMS」「WARP」「WARP Lite」の3つに分けられる。従来製品のバージョンアップ版は「WARP」となり、「ARMS」は、高信頼性、高可用性が求められるXMLデータのやり取りに対応したデータ送受信サーバとして提供される。SSLや電子署名などにも対応し、機密性の高いデータのやり取りにも利用可能だという。一方の「WARP Lite」は、Flow Serviceを含まないなど、一部の機能が限定された低価格モデル。パッケージベースの業務ソフトウェアが定着した、中堅中小規模企業でのアプリケーション間連携ニーズに対応したモデルで、Lite導入後のアップセル展開を図る。
そのほか、コンサルタントによる無償の構築支援や、2007年3月末までの期間限定で特別価格を適用するといった販売施策を行い、発売後1年で200本(Liteを除く)の販売を目指すという。