「Microsoft Office」の新しい「リボン」インターフェースで慣れ親しんだコマンドが見つからなくて困っているユーザーのために、Microsoftは新しいオプションを用意している。それはコマンドの検索機能である。
Microsoftは米国時間4月28日、ユーザーが実行したい機能を検索できる「Search Commands」というOfficeのアドオンをリリースする。数カ月にわたる社内でのテストを経て、Microsoftではこれを一般ユーザーに実地に試してもらう準備が整った。しかしこの新しいツールは、Microsoftのメインウェブサイトでは見つからないだろう。
Search Commandsは「Office Labs」と呼ばれる新しい取り組みによって配布される。Microsoftのベテラン社員Chris Pratley氏が率いるOffice Labsは、機が熟した(または熟していない)と考えられる生産性のアイデアをテストする試みである。
Pratley氏はインタビューで、Office Labsは単なる1つの機能から新しい製品コンセプト全体にいたるまであらゆるものを実地に試験することを狙いとしていると語った。その目的は早い段階でフィードバックを得て、その後に多額の投資をつぎ込むかどうかを判断することにある。
「製品をすべて完成させて、それからその製品をリリースして反応を確かめるのではちょっとコストがかかりすぎる」(Pratley氏)。Pratley氏はそれを自らの経験から実感している。同氏は、1990年代にWordやExcelに取り組んだ後で、2000年代前半に「Office OneNote」アプリケーションを作成したスタッフの1人である。
Office Labsは、Microsoftにとっては新しいアイデアを試すサンドボックスを作ろうとした初めての試みではない。同社にはすでにオンラインサービスビジネスを育てる「Live Labs」という研究機関がある。
Office本体には大勢の開発者がかかわっているが、Pratley氏が率いているのはデザイナーと開発者からなる約60人のチームである。Microsoftは28日、同グループが取り組んでいるプロジェクトからSearch Commandsと「Community Clips」の2つを公開する。Community Clipsは簡単に言うと、YouTubeのようなヘルプビデオの共有システムを作成する試みである。