Sun MicrosystemsがJavaアプリケーションストアの立ち上げを予定していることを、同社最高経営責任者(CEO)のJonathan Schwartz氏が明らかにした。
現在「Project Vector」(開発コード名)と呼ばれており、いずれ「Java Store」となる可能性が高いこのストアについて、Schwartz氏は、あらゆる規模や形態の企業を世界中に約10億人いるJavaユーザーに結びつける「ネットワークサービス」だと説明している。
Schwartz氏は米国時間5月18日付のブログ投稿で、「Vectorは(中略)世界最大級のオーディエンスを、JavaやJavaFXを活用している開発者や企業にもたらす可能性を秘めている」と書いている。「たいていの人はSunをコンシューマー向けの会社ではないと考えており、大体においてその通りなのだが、当社のランタイム環境は、地球上にあるどんな企業よりも多くのコンシューマーと結びついている」
4月にOracleによるSunの買収が発表された際、JavaはOracleがこれまで手に入れたなかで最も重要なソフトウェアだと両社は表現した。
Schwartz氏は前述のブログ投稿で、Sunがこれまで複数の検索会社と検索ツールバーの配信をJavaのアップデートとあわせて行う契約を結んできたことに言及し、この契約によりパートナー企業の検索トラフィックが増加し、Sunに大きな売り上げがもたらされたと主張している。
「売り上げが(中略)増加したことで、われわれはJavaの配信力を使ったさらに本格的な事業の構築を考えるようになった。つまり、検索会社1〜2社と年間契約を交わすだけでなく、Javaコミュニティー全体が利用可能なものにするのだ」と、Schwartz氏は言う。「Project Vectorは、そうしたサービスを提供するために設計されている」
Schwartz氏によると、候補となるアプリケーションは「単純なウェブサイト」から提出され、Sunによる承認を受けると、無料または有料のアプリケーションとして、Sunのアップデートメカニズムを通じてJavaのオーディエンスに提示される。開発者は「店頭」の位置を求めて競い、Sunは開発者に配信料を請求する。
「これにより、開発者コミュニティーの全員にチャンスが生まれる。つまり、ブラウザを超えたリーチを求めるあらゆる開発者が(JavaやJavaFXを使用していない開発者でも)、顧客と持続性のある関係を生み出せるようになるということだ」と、Schwartz氏は述べている。「覚えておいて欲しいのは、Java Storeを通じて配信される際アプリは直接デスクトップに届けられることだ。JavaFXによって、開発者、企業、およびコンテンツ所有者は、ときに不都合となるブラウザの迂回(うかい)が可能になる」
Schwartz氏によると、Project Vectorのビジネスモデル、技術、およびロードマップに関するさらなる詳細は、サンフランシスコで開催される2009年の「JavaOne」カンファレンスで、6月2日に明らかにされるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ