Adobe Systemsは米国時間6月1日、「Adobe Flash Player」で動作するオンラインアプリケーションの制作向けに、3種類のプログラミングツールのベータ版を公開した。
1つめは「Adobe Flash Catalyst」のベータ版で、プログラマー向けというよりはデザイナー向けに作られたプログラミングツールだ。Catalystを使うと、デザイナーは「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」でFlashアプリケーションのユーザーインターフェースを作成して、ファイルをインポートし、ユーザーインターフェース要素にさまざまな動作を追加することができ、Flashアプリケーションを完成させたり、専門のプログラマーに引き渡したりが可能になる。
2つめは「Adobe Flash Builder 4」のベータ版だ。以前は「Flex Builder」と呼ばれていたもので、コーディングのほうに特化したプログラミングツールだ。プログラミングソフトウェアの「Eclipse」をベースとしたこのツールは、Adobeのオープンソースフレームワーク「Flex」を採用することでより高度なFlashアプリケーションの開発を可能にしており、統合開発環境(IDE)で動作する本格的なプログラミングセットに利用できる。たとえば、BuilderでFlashアプリケーションをさまざまなバックエンドデータソースと連携させることで、より高度な機能を実現できる。
3つめはFlashアプリケーションの基盤を提供する「Flex 4」フレームワークのベータ版で、ユーザーインターフェース用のコンポーネントからアニメーション技術まで、あらゆるものを含んでいる。Flex 4(開発コード名「Gumbo」)はオープンソースプロジェクトだ。
Flashはウェブサイト上で動くアニメーションの制作ツールとして登場したため、タイムラインベースで表示される世界になじみがないプログラマーの不評を買っていた。Adobeは、アニメーション指向の製品としては今でも「Adobe Flash Professional」を提供しているが、それ以外ではFlexベースのアプローチを採用したFlashアプリケーション制作ツールを提供している。
Adobeがさまざまなツールを提供しているのは、いろいろなプログラミングスタイルの人たちに訴求するためだ。Adobeでプラットフォームビジネス担当主席製品マネージャーを務めるSteven Heintz氏は、異なるツールを使用する複数の開発者間で、単一のプロジェクトを行き来させて開発を進めることを可能にすると説明する。
「これらのツールが本当にすべて連携するようにした」とHeintz氏は述べ、「同一プロジェクト内の各要素ごとに、最適なツールを使用できる。すべてを無理矢理1つにして、全体的に使いにくい重いツールにするよりも、こちらの方がよいとわれわれは考えている」と説明した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ